2018年エルサルバドルのCOE マーク
いつもありがとうございます。
ようやく、春に世界オークションで落札したCOE(カップ・オブ・エキセレンス)コーヒーが入荷しました。エルサルバドルのCOEコーヒー(限定60kg)です。
近年スペシャルティコーヒーが市場をにぎわせていますが、私は、すでにブームが去ったと昨年から感じています。人間は魚と同じで、上へ上へと行く習性を持っているようで、生活や味覚なども、もっともっとと上を求めていきとどまる事がないように思います。特にコーヒーのように趣味性の強いものにおいては尚更のようです。
以前にも申し上げたように、スぺシャルティコーヒーには悪いコーヒーは一つもありませんので、すべて良いコーヒーばかりです。
ではCOEのコーヒーはというと・・・、「素晴らしいコーヒーしかない!」のです。
2018年エルサルバドルCOE受賞コーヒー「ロス・ピリオネス・パカマラ・ナチュラル」
私は今年、積極的にCOEのコーヒーをオークションで買うようにしています。お客様の舌が肥えてきたというのもありますが、やはりブラックで飲む日本流の飲み方は雑味の無い綺麗な旨味のあるコーヒーが一番だと思っているからなのです。
次の時代はデカフェなどの健康志向のコーヒーと共に、高品質なコーヒーを自分で淹れて楽しむ時代になると思っています。そのように考えているのは私だけではないので、今年の落札価格は去年よりもはるかに高くなっているのです。
私も5か国のCOEのコーヒーを入札しましたが買えたのは2種類だけでした。私の入札価格の基準は、100g1,000円で豆売りができる範囲と決めています。この価格なら、自分で淹れると一杯100円で飲めることになるのです。
どうですか!コンビニコーヒーに100円出すなら、缶コーヒーに100円出すなら、世界のトップオブトップのCOEコーヒーが飲めるのです。しかも、挽くときの香り、淹れる時の香りも全部楽しめてそれらのコーヒーの5倍も美味しいコーヒーが100円で楽しめるのです。まさしく、こんなおいしい話はありませんね(笑)
【カップ・オブ・エクセレンス(COE)とは】
カップ・オブ・エクセレンスは生産者と消費者をむすぶためのコンペティション組織です。世界中のコーヒー豆が審査され、インターネット・オークションにかけられ、世界のコーヒー業者が入札します。
厳密で透明な審査&オークションシステムにより、カップ・オブ・エクセレンスが支えられています。ITC(国連)の基金とICO(国際コーヒー機構)の協力のもと世界のコーヒー生産国政府が、味と香りと後口の甘さなど高品質なコーヒーを生産するため、1997年からその土地に合った在来種(主にティピカ・ブルボン系統種)を栽培し、生産方法を開発し、発展途上生産国の経済的自立を促進するために進められた特別な国際プロジェクトです。
最良で高品質の宝石のようなコーヒーを見つける事は簡単なことではありません。そうして1999年にカップ・オブ・エクセレンスが誕生しました。 今日では、カップ・オブ・エクセレンスは世界中で最も品質レベルが高いプログラムとして、高い評価を受けています。それらは、国際審査員の厳しい能力審査と、審査員認証プログラム、及び、生産国のカッパーによって選ばれるのです。
A) カップオブエクセレンスのコーヒーは何がそんなに特別なのか
▼素晴らしい品質のコーヒーは極稀にしかありません。称号を勝ち取るコーヒーは、栽培される産地、地域固有の特徴を備えていますが、更に農園(職人)のこだわり、すべて完熟豆で手摘みし、丁寧な精製を手作業により行い、豆の持つユニークなキャラクター特性を高めて農園で出来うる最高品質の豆を輩出するのです。
B) どのようにして選び出されるのか
▼各国のコーヒー生産者は、1年に1回開催される3段階のコンペティションにサンプルを出品します。第一段階でスペシャリティグレードの最低品質基準に達しているかの確認のため、専用のフルイにかけられます。
その後、当国内審査員による「目隠しテスト」でトップグループを選び出します。3日間にわたるコンペティションを経て、最終的に国際審査員が、このトップグループの中から、Cup of Excellenceの称号を授与します。
C) どのようにして販売され、誰が買うのか
▼コーヒー輸入会社やロースターに対し世界同時公開の国際インターネットオークションを通じて販売されます。最高価格を提示した者が、これらの称賛される当該ロットの全量を買い取ります。
世界中のコーヒー愛好家が、これらトップクラスの香味を楽しむことができます。カップオブエクセレンスコーヒーを求める多くのロースターは、世界最高レベルのコーヒーの香味を認知すると共に、お客様にも提供したいからです。
【解説】
スペシャルティコーヒーの中のトップオブトップがカップ・オブ・エキセレンスコーヒーです。これらのコーヒーは、香りが特徴で素晴らしいくとても繊細ですので一般的にはあまり深く焙煎をしないようです。深煎りに焙煎するとスモキーな芳ばしい香りが中心になりますので、フルーティーさやフローラルな香りが消されてしまいます。浅煎りですが、いろいろな香味が豊かに内包していますので、カッピング力をつけるにはこれほど適した豆はありません。それぞれの豆の素晴らしいユニークで豊富な香味を探る事ができます。
COEカッピング場(ワタル株式会社名古屋支店内)
・・・ところで、COEは優秀で貴重で希少な豆ですが、それぞれの国で選ばれるコーヒーは30農園30種類程度あります。その中から点数によって順位が付けられますが、それぞれの差がほんの極わずかなのです。
わかり易く言うと、ミスユニバースの県代表がCOEのコーヒーとお考えいただくと解りやすいです。ミスユニバースの県代表が一堂に集まりグランプリや準グランプリなど順位を決めていくのです。
県代表にはそれぞれ素晴らしい方ばかりですので、ほとんどが甲乙つけがたい美人(優良な豆)ばかりなので、すべて素晴らしく別格なのです。といったところでしょうか。
COEコーヒーのDRYアロマを嗅ぎ分ける
COEに選ばれた豆を事前にカッピングして自分の好みのコーヒーに希望価格で入札するのです。名古屋地区のカッピング会場は、ワタル(株)名古屋支店で行っていますのでとてもありがたいです。
気に入った豆は、希望価格をワタルの担当者に伝え入札していただきます。オークションは世界同時開催(日本では深夜)、オークション式の入札方法で行われます。いろいろな国のバイヤーが動向をみながら入札します。良い豆はどんどん値が上がっていきます。最終的に一番高値を入札した方が全量買い取ることが出来るのです。
確かにすべては一番高値を付けた方が買い取るというシステムですが、良く考えると・・・、なにか、「夢と希望」がありませんか?
たとえば、私がグランプリの豆を買いたいと願えば、岐阜の瑞浪市の田舎の町の珈琲屋が、世界の誰をもさしおいて、その国の一番のグランプリ豆を買う事ができるのです!みんなに平等に開かれたオークションシステムで、考えてみれば素晴らしい事ですよね!
今年はまだまだオークションはありますので、何とか皆さんに「夢のある魅惑のCOEコーヒー豆」を落札してお届けしたいと思っています。
次回は、このCOEコーヒーのカッピング方法や点数の付け方などを実際の写真を添えながら説明していきます。
一般の方にはとても参考になると思います。
