日本コーヒー文化学会 日本コーヒー文化学会
日本コーヒー文化学会

日本コーヒー文化学会

更新日:2020年5月23日
店5

いつもありがとうございます。
コロナ不況で世の中が大変なことになっています。特に飲食店は、緊急事態宣言による休業要請と自宅待機で一番被害を被っているようです。飲食店はどうしても「3密」になりますのでしょうがないといえばしょうがないのですが、ほとんどの店はお客様に来ていただいて初めて商売となる仕事ですので、この1か月はほとんど仕事になりませんね。
当店はカフェ部門以外に、豆売り部門と豆の全国発送部門がありますので、休業期間中でも何とかテイクアウトの豆販売やテイクアウトカップコーヒーなどで仕事をしていました。

岐阜県は4月18日から5月6日までの休業要請に順じた飲食店には協力金が支払われましたが、それにプラスして昨年と比較してひと月でも50%以上売り上げが落ちた店には「持続化給付金」も併せてもらうことができます。

これは店の規模にかかわらずに支払われますので、喜んでお休みになる店もありますし、仕方なしに休む店、この金額ではとても損失補填ができなくて仕方なしに営業する店、金額に関係なく少しでもお客様にご迷惑にならないように、消毒等をできるだけ万全にして開店する店など、それぞれの店の経営者の経済や理念や姿勢などがはっきりと見て取れます。

どちらにしても、給付金なるものは税金で賄われていますので、国民から一時的にお借りしているだけで、ゆくゆくは何らかの形で返済していかなければいけないものですのでそんなには喜ばしいものではありませんね。

「ピンチはチャンス」

いろいろ、新型コロナウィルスに感染しない方法で出来うることを毎日必死に模索し実践しています。
先ず、4月18日から「珈琲豆全国送料無料キャンペーン(5月31日まで)」を実施して、この中日新聞プラスのブログやホームページや新聞などで発信しました。お陰様で、自宅待機を強いられている全国の多くの珈琲愛好家の方々からたくさんのご注文をいただいています。ご注文いただく中には新規のお客様も多くいて、「新しい顧客の開拓」となっています。
もう一つ、瑞浪のような田舎では需要がないと思って今までしなかった、「カップコーヒーのテイクアウト」も始めました。メニューはプレミアムコーヒーのホットとアイスコーヒーの2種類ですが、200~250円で売っていたこともあってか意外と喜ばれ需要があり、一日数十杯も売れています。

いずれにしても、まだまだ終息しないようですし、落ち着いても韓国や中国がそうなったように、安心して気を抜いて「3密」などをすれば、第2波、第3波が来て元の木阿弥となりかねません。
ひとまず、最短でも8月までは元の生活には戻れないと私は思っています。よって当店の珈琲教室も6月開催はあきらめて、9月からの再開にしようと思っています。

5月の半ば地点で、今後GDPが20%も落ちる(?)との報告がありましたが、これから先、まだまだ落ち込むことは間違いありません。戦後最大の不況となると予測できます。また、日本だけではなく世界中で蔓延している話ですので、世界大恐慌の到来ということになる事が予測できます。
ほとんどの方が終息したら前の生活に戻ると思っているようですがとんでもないです。終息してからの方が大変なことになると私は危惧しています。

救済給付金をもらったからといって安心していられません。一時的にしのげるだけですので、それをもとに、これから皆さんに必要とされ喜ばれる店作り、味作り、商品作りに取り組み考え実践していかないと、店を継続していくことは大変難しいと思います。
何をすればよいかは簡単には思いつきません。これからの情勢を見ながら時代に合った良いアイデアを考え実践していくことが急務となるでしょう。

文化学会

日本には「日本コーヒー文化学会」という非営利団体があります。
今年で発足27年を迎えます。

会長は金沢大学大学院自然科学研究科特任教授、工学博士の「廣瀬幸雄」氏です。常任理事、理事などをはじめ、会員は一般会員、学生会員合わせて311名と、賛助会員21社います。年に5回ほどの常任理事会や理事会などがあります。日本各地に支部があり、年に数回それぞれの支部が独自で「コーヒーを楽しむ会」をいろいろなテーマをもって行っています。規模としては100人くらいのイベント会となっています。また、少人数のセミナーやコーヒーツアーなども企画して産地や消費国などを巡る旅を何度かおこなってきました。

昨年行われた会を紹介すると・・。
2019年6月・・水戸でコーヒーを楽しむ会
2019年7月・・札幌でコーヒーを楽しむ会
2019年9月・・福岡でコーヒーを楽しむ会
2019年12月・・鹿児島でコーヒーを楽しむ会
などです。 

10年前くらいには、コーヒーを楽しむ会は年8回くらいあり盛況でしたが、最近は会の回数が若干少なくなってきましたが、各支部がそれぞれ知恵と労力を出し合って継続的に開催しています。
発足は平成5年12月4日で、立ち上げたときの趣意書は、

「わが国は世界第3位の珈琲輸入国でありながら、珈琲についての総合的な研究が実施されないまま今日となった。それぞれの分野で専門的に研究されてきたにすぎない。コーヒー飲用の先進国、欧米も同様に各分野で専門的研究がみられるのみである。
そこで、コーヒー研究の学術面を総合し、体系的に取りまとめる「コーヒー文化学会」を設立し世上のコーヒーに対する偏見、誤解をただすとともに、総合的なコーヒー文化の研究を図ろうと、有志が語らい、ここにその旗を揚げることとした」

・・・以下省略。

私は会発足の時に、愛知県豊橋市の珈琲研究家 伊藤博氏(故人)に誘われて当初から参加しています。

15年ほど前、何度か訪れたイエメン、エチオピアを題材に自主制作したDVD 「モカに始まりモカに還る~イエメンコーヒーのルーツから~」が認められて、「理事」に就任しました。

年に2回の理事会がありますが、ほとんどが土曜日か日曜日の開催ですので、小さな珈琲店を営んでる私としてはなかなか出席できずに皆様にご迷惑をおかけしました。しかし、「何とかこの地でコーヒー文化を広げていくことができないか?」と考え、コーヒーセミナー(教室)という形を思いつき継続的に広め繋げています。

今では100人以上の生徒を持つまでになり、毎月「珈琲を楽しむ会」を開催しているほどになりました。

文化

その思いを、創立20周年記念誌に投稿して詳しく書きました。
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「日本コーヒー文化学会と私」~日本コーヒー文化学会20周年に寄せて・・今井利夫
会創立20周年おめでとうございます。

20年前、今は亡き伊藤博先生から直接お電話をいただき、「一緒に日本のコーヒー文化を正しい方向に育てていきましょう!」とお誘いいただき、胸が熱くなったことを今でもはっきりと覚えています。

伊藤博先生はコーヒー業界畑の方でありませんでしたが、私財を投げ打って真剣にコーヒーの研究をされ未来を考えていた方でした。私は今でも尊敬をしております。

当時、「今の喫茶業界は横の繋がりがなく情報の場が少ない・・・」と日本の珈琲業界を危惧しておりました。そうした思いで全国規模のコーヒーの会を発足し、一人でも多くの方に勉強会や講習会などに参加していただき横のつながりを大切にしたのだと思います。

学会の20年を振り返りますと、コーヒーを様々な形でとらえ、ㇾべルの高いイベントが行われ成長してきたように思います。各支部の理事、役員の方々にはかなりのご負担があったと想像いたしますが、みなさんのコーヒーにかける情熱によって日本のコーヒーの新たな形が確立したように思います。

私自身は小さな珈琲店を営んでいますので、コーヒー文化学会が開催される土曜日、日曜日にはなかなか参加することができずに他の理事の方や多くの会員の方にご迷惑をおかけしていましたが、私にできる形がないのかと自分なりに模索し、学会の活動を参考にし、地域で「珈琲教室の持続的セミナー」によってコーヒー文化をこの地で広げ繋げていくことを考えました。

今は、地方の小さな町で少しずつ、「珈琲」という花を土壌から耕し育てていくことも立派なコーヒー文化ではないかと考えています。エチオピア、イエメンから始まったコーヒーが、世界に伝わり、広まり、世界で一番飲まれ愛される飲料(水以外)として、歴史の中で飲み方やスタイルを変え発展してきました。

今、コーヒーの世界は何でもありの時代になってきましたが、すべてが良いというわけではありません。これからも会の活動を通じてコーヒー本来の良さを多くの方々に知っていただき、楽しんで頂けるように精進してまいります。

一杯のコーヒーから、素晴らしい未来をみんなで創造してまいりましょう!
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日本文化

誰もが入会できるオープンな会となっていて、年会費は5,000円です。年会費が安い学生会員制度(3,000円)もありますが、地方でお暮しの一般人においてはなかなかすべての会に出席することができませんし、総会自体が東京で行われますので、時間においても交通費等においても、相当な負担がありますので大変ですが、年に4回の「学会ニュース」が発刊され活動を詳しく発信していますし、年度末には、毎年の活動やその年の研究成果をまとめた「日本コーヒー文化研究」を発刊しています。

会費に関してはいろいろと言われていますが、会費の一部をクラウドファンディングとは申しませんが、日本のコーヒー文化活動のための支援金とお考えいただくと、継続的に日本のコーヒー文化発展に繋がるのではと思っています。

今年は新型コロナウィルスで活動ができていませんが、終息したら再開して、これからもコーヒーの文化に貢献してまいります。

新理事

1月に、日本コーヒー文化学会の常任理事で珈琲見聞録代表の狭間寛氏が当店を訪ねてまいりました。
狭間さんは、日本のコーヒーの歴史から現代までにとても詳しく造作が深い方です。また、人間的にも素晴らしく、日本の珈琲業界を良い方向に導ける数少ないお方で、コーヒー文化学会にはなくてはならない人です。
今回は、メリタのウェブサイトで、当店の紹介記事を掲載していただけるための取材にわざわざ東京からお越しいただきました。
それともう一つ、私を、コーヒー文化学会の「常任理事」に推挙したいというお話をお持ちいただきました。
100回を超えた、この中日新聞「達人に訊け 今井利夫のコーヒー三昧」の記事と中日文化センター珈琲教室をはじめ、140名程の生徒がいる、継続的な珈琲教室が評価されたそうです。

地方の一珈琲屋がこんな大役をできるか自信はありませんが、珈琲の世界に43年も携わり、先人の方々が作ってくれた素晴らしい珈琲の世界の恩恵を受けて暮らしてきたものとしては、それを次の世代により良い形で伝え繋げていく事が一つの使命と考えます。
6月に正式決定とはなりますが、もし承認されればこれから残された時間を、微力ながら誠心誠意日本のコーヒー文化に貢献したいと考えています。

また、新型コロナウィルスが終息したら、この地で「コーヒーを楽しむ会」を開催して多くの方にコーヒーの魅力を伝えていきたいとも考えています。もともと当店は毎年数回、著名な珈琲関係の方に来ていただき「珈琲講座」をしていただいています。この機会をきっかけに、これからは「コーヒー文化学会の楽しむ会」として少し規模を広げて開催したいと思っています。
私は全国に多くの珈琲屋やコーヒーの研究家など知り合いがいまして、ほとんどの方が真摯にコーヒーに携わっている素晴らしい人ばかりですので、開催には事欠きません。テーマも自分の中にたくさんありますので、楽しみにしていてください。

先ずは一刻も早い新型コロナウィルの終息を望みます。
みんなでもう少しだけ頑張りましょう!

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