健康あっての珈琲屋 健康あっての珈琲屋
健康あっての珈琲屋

健康あっての珈琲屋

更新日:2017年12月26日

いつもありがとうございます。
12月7日、師・森光宗男氏の一回忌を迎えました。早いもので一年過ぎたのです。この一年東京や福岡など各地で「偲ぶ会」が行われました。師の功績はお亡くなりになってから、初めてその偉大な功績を知った方々も多くいたように思います。私のこの一年は、道標と光を失った暗闇の中で、自分自身何ができるかを自問自答した日々であったように思います。
しかし、師が亡くなった失意にいつまでも浸かっているわけにはいかないと自分に極力言い聞かせました。失意から私を救ってくれたのが珈琲教室の生徒達です。今は生徒数が135名に増えた教室は、月に14講座あります。二日に一度あるという事になりますね。

私の一日は、朝の5時30分前後から焙煎、8時から店舗にて仕事、19:00時に閉店、19時30分から21時30分まで授業、片付けが終わり22:00時。事務的な仕事や少しの愉しみの時間を過ごし24:00くらいに就寝。と、一日おきにこんな毎日を送っています。

師が亡くなってからも、これらの教室を含む仕事は休みなく続けられるのですから、悲しみに浸かっている時間がなかったというのが現実でした。特に、失意の中でも自分を必要としてくれる生徒達と共にする「珈琲時間」は私の大きな救いでもありました。一人でも多くの珈琲好きの人を増やそうと、それが私の天命だと今は思っています。

病院

名古屋セントラル病院の病室からの景観

私は11月の終わりに、前から患っていた病気の手術をしました。

3年前から手術を勧められていましたが、入院を合わせると一週間休まなければならず、それだけの期間を休むことができなかったので薬でだましだまし過ごしてしまっていたのです。月日と共に病状が悪化してきたので手術を覚悟したのですが、さて、どこの病院で施術していただくかを決めなければなりません。

今のネットの世界はとても便利ですね!検索すればネットで細かい情報が得られ評判なども詳しく記載されていますので、選択肢が豊富で自分の気に入った病院を探し当てることができます。私の選んだ病院は「名古屋セントラル病院」で、名古屋駅の裏側で、名駅から歩いても10分くらいの近い場所です。とても歴史のある病院で旧国鉄病院だったそうです。

当日に入院して診察を受けるのですが、まずびっくりしたのは、先生や看護師さん、他のスタッフの方々がとても優しく親切で丁寧な対応なのです。私が今迄診察していただいた病院は、ほとんど、先生は上から目線で、看護師さんは命令調に話される所ばかりでしたので、思わず・・「こんな病院があるんだ!」とびっくりしました。今までの病院という観点が大きく180度変わりました。10階建てで、院内には、ドトールコーヒーショップ、コンビニエンスストア、レストランまでもがある大きくてきれいな総合病院でした。

画

病室には素敵な抽象画が飾られています。

夜景

夜景

私の病室からはとても景色が良く、名古屋駅のツインタワー、ミッドランドビルなどが一望でき夜景は本当にきれいでした。手術の一日前から入院したのですが、あまりの美しさに家族やスタッフなどに写真を送りつけたほどです。

鰻

夕食は鰻のひつまぶし!

食事も素晴らしく、私は食事制限がある病気ではないので、夜は特別食といって三種類のメニューの中から選べるシステムになっていました。早速、初日は「鰻のひつまぶし」を頂きました。そこまではまさに天国といっていいほど快適な病院生活でしたのですが、次の日に、全身麻酔による2時間の手術を受けました。PVPというレーザーの手術で負担が少なく、出血も少ないというものでした。

私は2年前に、声帯ポリープ摘出手術を受けましたが、その時も全身麻酔でした。しかし、その時は、それほど時間がかかたなかったせいか、若かった(??)せいか解りませんが、目覚めはとても快適でした。今回は目覚めた時に自分が何をして何処にいるのか分からないくらい意識がもうろうとしていました。こんな経験は初めてでしたので自分自身ちょっと不安でした。でも、全身麻酔での手術は、寝て起きるだけで終わりますので、患者からすると恐怖も不安も何もわからないまま終了しますのであっけないと言えばあっけないですね(笑)

術後病室に帰り、点滴や血圧計やその他の器具が体に装着されて約一日ほとんど身動きができませんでした。3日目の朝ようやくそれらの器具が外されて自由に動けるようになりました。入院前は、術後、日頃読めない本を読んだりしてのんびりした入院生活が待っている予定でしたが、世の中はなかなかそんなふうにうまくはいかないものですね。

術後熱がでてしまい、その後39度近くの熱にうなされることとなりました。せっかくの特別食もまともに取れず、一日22時間くらい寝ていました。日頃5時間しか寝ない私にとって一日に4日分の睡眠時間です。人間こんなに眠れるものだと我ながらびっくりいたしました。4日目に退院の予定でいましたが微熱が続きましたのでもう1日入院することになりました。

5日目の朝、少し熱が下がりましたが若干の微熱がまだありましたが、店の珈琲豆が無くなったとの情報が入りましたので、少しだけ無理でしたが退院しました。残念ながら、景色の良い綺麗な部屋での快適な入院生活は夢と終りましたが、その間の看護婦さんや部屋のキーパーの方などの素晴らしい対応と笑顔にはとても癒されました。特に心細い気持ちを支えてくたスタッフや毎朝晩、心配して診に来てくれた術医の先生、担当の上田先生、婦長さんには本当に感謝しています。

一つの優しい言葉が、笑顔が、対応がこれほどまでに人に勇気と元気を与えるのかを知るとても有意義な入院でしたし、珈琲店という、毎日12時間以上働き、週一の休みだけで営業する、この体力がなければ働けないサービス業を営んでいる私にとっては、健康でいることが珈琲屋にとって一番大切なのだと教えられた良い機会でした。

まだまだ珈琲でやりたいことやアイディアが山のようにありますが、これからは健康第一に考えて、あまりに無理をせずに、それでも精一杯向き合って少しずつ少しづつ具現化して珈琲の魅力を皆さんに伝えていきたいと思っていますので、今後ともよろしくお願いいたします。

もかにはじまり3

再販本 「モカに始まり」 森光宗男著

≪告知≫
皆様からクラウドファンディングでご協力いただきました、「モカに始まり・・産地編」森光宗男著の、再販本が出版されました。多くの方々から目標額を上回るご支援を頂きましたことを、心より御礼申し上げます。ありがとうございました。

尚、2018年5月頃には第二弾「モカに始まり・・抽出編」が出版される予定ですのでご期待ください。

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