アイスコーヒーにはシロップ(砂糖)とミルクが付きます
いつもありがとうございます。
新型コロナウイルスの第2波が止まりません。経済が低迷しましたので、移動自粛制限の解除、GOTOキャンペーン、飲食店の開店時間延長などを行いました。感染防止と経済との両立として行ったのですが、第2波が起こってしまい、今のところ失敗だったのか?と思う結果になっていますね。
年内この状態が続くと、宿泊業、飲食店等の半数近くは閉店に追い込まれるのでは、ととても恐ろしいことがいわれています。春先は、協力金や持続化給付金などで一時的にしのげましたが、2度3度ともらえるわけではありませんので、残念ながら今のままでは明日はありません。ワクチンができるなど、一刻も早く感染が終息することを心より願うばかりです。
私の住んでいる岐阜県瑞浪市でも感染者が出ましたので、珈琲教室もしばらくお休みにしました。1977年に店を開業してから、こんなに自分の時間を持つことがなかったので、この機会に「日頃なかなかできなかったことをしよう!」と思いましたが、「不要不急の外出は避ける!」ですので、私の好きな映画やコンサート、スイミングなどにも行けず、結局何もしない日々が続いています。
まぁ、今まで時間に追われる日々でしたので、「たまには体を休める時間があっても良いかなぁ!」とは思っています。唯一、日頃なかなか読めなかった本を読む時間が出来たことはうれしかったのですが、これだけ長く続くと、だんだんと本さえ読む気力がなくなってきています(笑)
皆さんはいかがお過ごしですか?
ストレスが溜まっていませんか?
疲れていませんか?
体力的にも精神的にも疲れてくると人間イライラしますので、小さなことでもすぐに感情的になりますので、気を付けたいですね。先ずは疲れとストレスを解消するために
「一杯のコーヒータイムを持ってみてはいかがでしょうか?」
それも、ケーキやビスケット、チョコレートなど甘いものと一緒に楽しんでみてください。また、日頃、コーヒーをブラックで飲んでいる方も、疲れた時には、ミルクや砂糖をたっぷり入れて甘くして飲むと、疲労回復にはとても効果がありますよ!
元来、コーヒーには、砂糖とミルク(フレッシュクリーム)がつきものですね。どこのお店でもコーヒーを注文すると必ず付いてきます。しかし今、日本では、コーヒーに何も入れない「ブラックコーヒー」を楽しまれている方がとても多いです。当店でも75%くらいの方がブラックでコーヒーを飲んでいます。
実は、ブラックコーヒーを「美味しい!」といって飲んでいるのは、世界でも日本人くらいなのです。世界の常識は、砂糖やミルクをたっぷり入れて甘くして飲む飲み物とされていますので、何も入れずに飲むということはほとんど考えられないようです。
日本の食文化は昔から、素材そのものを味わう混ぜ物をしない食文化なのです。日本は豊かで肥沃な土地に、四季折々の中で、それぞれの季節の「旬」といわれる美味しい食材が豊富にありました。何も足さずに旬の物をそのまま食べていれば(もしくは塩味だけつければ)、一年中いろいろなものを美味しくいただけたのです。よって、日本ではスパイスやソースといった、食材に味をつけるたぐいの調味料がほとんど存在しませんでした。
日本人は昔から、素材の中に旨味成分を感じ取る味覚がすぐれているので、コーヒーも砂糖などの混ぜ物をしなくても、あの苦味の中に内包された旨味や甘味を感じ取ることが出来る、素晴らしい味覚を持った国民なんです。しかし、誤解しないでくださいね。何もブラックでコーヒーを飲みましょう!といっているわけではありませんよ。前回にも書いたように、嗜好品のコーヒーは、その時々で自分が美味しいという飲み方で楽しめば良いのです。
また、最近では味覚とは別にダイエットが叫ばれていて、砂糖などカロリーの高いものは健康やダイエットの敵とされ、ますます砂糖を使用する方が少なくなりました。コーヒー一杯に入れる砂糖のカロリーは30Kcalでミルクは13Kcalですので、どちらも入れても大したカロリーにはなりません。ちなみに、普通盛りご飯一杯のカロリーは240Kcalですので、コーヒーに入れる砂糖はダイエットの敵とされるほどではありませんが・・・・。
今回は、その、とても誤解されている砂糖についてお話させていただきます。
砂糖で甘味をつけて、生クリームを浮かべた「カフェ・マザグラン」
【砂糖の歴史】
砂糖の歴史は、紀元前1500年くらいに南太平洋(現在のニューギニア周辺)で発祥したと言われています。その後、インドで砂糖が普及して、中国やアラビア諸国に伝わり、EUに広まっていきました。
本格的に生産されるようになったのは、コロンブスが西アフリカのカナリア諸島産のイネ科のサトウキビを西インド諸島に移植して、カリブ海諸国やアメリカに栽培が広まったといわれています。その後、イギリス、スペインなどがサトウキビ栽培を自国の植民地に植えて、モノカルチャー(特定商品)として世界商品となりました。砂糖の普及は、紅茶、コーヒー、チョコレートなどの飲み物と密接な関係があります。それらに大量に入れることによって、高カロリーを簡単に摂取できたのです。
また、イギリスでは砂糖の使用量が生活の豊かさの基準だったようです。「ティーパーティー」といわれる貴族や上流階級の集まりは飲み物をふるまうのではなくて、砂糖を大量にふるまうパーティーだったそうです。また、労働者の休憩時間といわれている「コーヒーブレイク」は、短時間に摂取してすぐにエネルギーに変える砂糖の補給タイムだったようです。日本では8世紀頃、中国から伝播しました。
その後、16世紀頃のポルトガルなどとの南蛮貿易(フランシスコ・ザビエルと金平糖、カステラ)によって、砂糖の輸入がスタートしました。1727年、徳川吉宗がサトウキビの栽培を推奨すると、瀬戸内海沿いや南九州などの暖かな地域で広まりましたが、明治維新後、外国より安い白砂糖が入るようになり、日本の製造は奄美大島と沖縄の黒糖のみとなりました。
※《参考資料》インドの仏教典に砂糖やサトウキビに関する記述があることや、砂糖の英語名「Sugar」の語源が、古代インドの言語であるサンスクリット語で、サトウキビという意味の「Sarkara(サッカラ)」に由来するといわれていることを含め、砂糖はインドから広まったといわれています。
サトウキビ以外のもう一つの砂糖として広まったのに、テンサイがあります。1747年にドイツ人の科学者が、テンサイ(ビート、砂糖大根)から砂糖を作る方法を発見しました。テンサイは、あまり温かな所でなくても出来るので、ヨーロッパ各国から世界に広まっていきました。
高カロリーの砂糖は、即効性のある簡単な活力剤として世界に広まりました。また、解熱薬や下痢止めなど、さまざまな病気に効く万能薬や、保存料(ジャム)、ケーキ、料理などに広く使用されました。
しかし現代は、生活の変化によって、多くのカロリーを取る必要が無くなり、砂糖は取りすぎると、かえって健康に悪影響をもたらすようになりました。近年、砂糖に代わり、低カロリーやカロリーオフの化学調味料(サッカリンなど)が中心になってきました。
A) コーヒーと砂糖
日本ではコーヒーにおいて、砂糖は脇役であり、引き立て役か調味料と考えられています。砂糖を加えないコーヒーをブラックとするのは、日本での意味であり、英語でblackとは、単に乳製品を加えないことをいい、砂糖の有無は問わないようです。世界では、コーヒーには必ず砂糖を入れる事と考えられています。砂糖といっても、様々な種類があります。では、コーヒーに合う砂糖は何でしょう?
一般的にはグラニュー糖が良いといわれています。すぐ溶け、甘さもサッパリしており、ミネラル分も少ないため、コーヒーの味を壊さず、豆本来の味を楽しむことが出来ます。しかし、コーヒーを楽しむという視点では、コーヒーシュガーや三温糖など、他の砂糖による味の変化も試してみると面白いと思います。
①グラニュー糖
一般的に使用されている砂糖。クセのない淡泊な甘さで、コーヒーの風味を損なうことがありません。無難なセレクト
②上白糖
上白糖(じょうはくとう)とは、ショ糖を主成分とし、水分と転化糖(グルコースとの混合物)をそれぞれ1%程度含んだ結晶状の白い甘味料である。いわゆる普通の砂糖のことであり、日本で最も使用量が多い天然甘味料である。グラニュー糖に次いで、コーヒーに適した砂糖。
③コーヒーシュガー
氷砂糖にカラメル溶液を加えて茶褐色にしたもの。コーヒーに入れてもすぐには溶けず、ゆっくりと溶けていくのが特徴。時間による味の変化が楽しめます。カップの底に甘味が残りますが、かえってそれが良い後味となります。
④ブラウンシュガー(中ざら)
ミネラル分を多く含み、甘味は濃厚でコクがあり、風味も豊か。コーヒーや紅茶に適した砂糖として人気がある。上白糖やグラニュー糖、白ザラ糖にカラメルを添加したもの(中ザラ)。三温糖や黒砂糖の白色ではない砂糖の総称としても使われる
⑤三温糖
コクのある甘さと独特の風味。グラニュー糖や上白糖、黒砂糖のような甘みの強さはないのでコーヒーにはあまり向かないといわれています。
⑥黒砂糖
濃厚な甘さと強い風味を持つため、一般的にコーヒーに入れと味わいが変わり適さないと言われている。ただ、黒砂糖を食べながら、ブラックコーヒーを飲むと、黒糖の独特な風味が合わさって美味しさが増すともいわれています。
⑦その他の甘味料
蜂蜜、メープルシロップなど
B) コーヒーとミルク
コーヒー一杯分のミルクは「約13kカロリー」です。現在、コーヒーのミルクとして使われているのは・・・
①乳脂肪クリーム
本来、フレッシュ・クリームとは乳脂肪のみで作ったクリームの事をいいます。脂肪の含有量の濃淡が様々ありますが、コーヒーのエキスの濃度に併せて使うと、とてもバランスの良いコーヒーになります。普通の濃度のレギュラーコーヒーであれば、乳脂肪25%前後のクリームが良いでしょう。
②植物性クリーム
あっさりとしてコーヒーの味に影響を与えすぎないので、薄めで軽めのコーヒーに向きます。一般的に出回っているものは、どんなコーヒーにも合うように、植物性脂肪と乳脂肪を合わせたものが多い。
③粉末クリーム
生乳から分離したクリームの成分を均質化したもの。マイルドな風味とコクを活かした味わい(クリープ、ニド)。
④牛乳
カフェ・オレやカプチーノにオススメ
⑤コンデンスミルク
加糖練乳とも言い、ベトナム式コーヒーなどに使われます。甘味が強いので、デザート感覚で楽しみたい時にオススメです。
⑥ポーションタイプ
小容器に小分けされて便利な、通称「コーヒーフレッシュ」(和製英語)は。原材料は、植物油に水を混ぜて乳化剤などの添加物で白く濁らせ、ミルク風に仕立てたものがほとんどで、生クリームだと勘違いしている方が多くいますが、実は、ミルクも生クリームも入っていません。チェーン店でよく使われ、スーパーでも安く売られていますが、添加物満載の商品なのです。
【参考資料】『コーヒーフレッシュのできあがり』
※「水と油と『白い粉』でコーヒーフレッシュができる」より抜粋
「コーヒーフレッシュ」は、牛乳(ミルク)や生クリームからつくられてはいません。植物油に水を混ぜ、添加物で白く濁らせ、ミルク風に仕立てたものです。それがあの小容器の「コーヒーフレッシュ」の正体なのです。植物油を使うことで、牛乳や生クリームを使用するよりもはるかに安くできます。
普通の状態では水と油は混ざりません。そこで添加物の登場です。まずは「乳化剤」を使用します。乳化剤というのは、界面活性剤のこと。これを入れると、あっという間に油と水が混ざって、ミルクらしく乳化します。しかしこれではミルクらしいとろみがない。だから「増粘多糖類」でとろりとさせます。乳化剤も増粘多糖類も「一括表示(添加物)」ですから、何種類使われているかわかりません。仕上げは「カラメル色素」。ごく薄く茶色に着色することで、いかにもクリームらしい色合いになります。日持ちさせるために「pH調整剤」も入れます。クリームの香りの「香料」も入れます。全商品、添加剤てんこ盛り第3位なのです(笑)
健康に良いかは悪いかは、説明するまでもありませんね!
⑦その他
コーヒーとチョコレート、コーヒーとパン、コーヒーとケーキなど、コーヒーに合う物いろいろ。
【総評】
日本では、ブラックで飲む人のことを「通」「マニア」などと呼んでいます。コーヒーに砂糖やフレッシュ・クリームを入れて飲むのは邪道な飲み方と考えているようです。また、それらが体に悪影響を及ぼすと勘違いしているようです。コーヒーに入れる程度の砂糖やクリームのカロリーはほんの少しです。
世界ではコーヒーにミルクや砂糖、チョコレート、洋酒などを入れて飲んだり、いろいろな食べ物と組み合わせて楽しんでいます。最も代表的なものは、ミルク(フレッシュ・クリーム)と砂糖ですが、他にも、チョコレート、洋酒、スパイスを入れたり、チョコレートやケーキ、パン、ビスケットなどを食べながら飲むのが一般的です。
どちらにしても、「良質で新鮮な体に良いコーヒー!」の条件を満たしていれば、何と組み合わせても、どんな飲みかたをしても、それはそれで、自分流のコーヒー・バリエーションという新しい楽しみ方の一つですが、組み合わせるものの素材が、添加物などの混入していない、体に安全安心なものを選んでください。
