スペシャルティコーヒー スペシャルティコーヒー
スペシャルティコーヒー

スペシャルティコーヒー

更新日:2014年1月24日
協会

いつもありがとうございます。今回は、今流行の「スペシャルティコーヒー」を知っていただこうと思います。始まりは、                                          

1982年:アメリカスペシャルティコーヒー協会設立(SCAA)
1987年:日本グルメ協会として発足
1999年:日本スペシャルティ協会と名称変更
1999年:カップオブエクセレンス プロジェクト開始(スペシャルティコーヒーのインターネット・オークション)

①スペシャルティコーヒーとは?

SCAJ(日本スペシャルティコーヒー協会)の定めるところによると、『消費者(コーヒーを飲む人)の手に持つカップの中のコーヒーの液体の風味が素晴らしい美味しさであり、消費者が美味しいと評価して満足するコーヒーであること。』とあります。

SCAA(Specialty Coffee Association of America)などの世界のスペシャルティ協会が推奨している優良なコーヒーをスペシャルティコーヒーといいます。

要するに、スペシャルティコーヒーとは、コマーシャルコーヒー(一般的なスタンダード品)やプレミアム(グルメ)コーヒーなどに属さないきれいなカップで、際立った香りをもつ素晴らしい風味や個性や特性をもったコーヒーということです。

また、それを客観的に評価するために、トレーサビリティ(生産者、生産地、精製方法などの流通の履歴)が明確で、産地の特徴や個性がはっきりわかるように、共通の判断基準を作り、SCAA(アメリカのスペシャルティコーヒー協会)の評価基準に基づいたカッピングの点数で、10点を有する8項目の「ポジティブポイント」と20点を有する「ネガティブポイント」に分け、ワインのように特徴が明確で数字で簡単に解るようにしたのです。

スペシャルティ評価図の例

スペシャルティ評価図の例

スペシャルティ評価図の例

≪評価項目≫
基準点はポジティブポイント、各10点。ネガティブポイント、20点
①風味特性(フレイグランスとアロマ)
②後味の印象度(アフターテイスト)
③酸の質(明るいさわやかさ)
④口に含んだ質感(マウスフィール)
⑤フレーバー
⑥バランス
⑦カップのきれいさ(クリーンカップ)
⑧甘み
⑨ネガティブポイント(20点)マイナス評価

≪評価の概要≫
1. 風味特性・風味のプロフィール(フレイグランス)・・(10点)
スペシャルティコーヒーと一般のコーヒーを区別する最も重要な項目。味覚と嗅覚の組み合わせ。栽培―収穫―回収―選別―生産処理―保管―焙煎―抽出が理想的に行われれば、栽培地域の特性が正しく表現されるもの。
コーヒーが一般的なプロフィールしか持っていないのか、あるいは栽培地の地域特性が純正に表現できているかを明確に評価する。

2. 後味の印象度(アフターテイスト)・・(10点)
コーヒーを飲み込んだ後で持続する風味は、コーヒーの他の属性により醸し出される心地よさを強める場合、弱める場合、あるいは一切駄目にしてしまう場合とがある。
コーヒーを飲み込んだ後の「口に残るコーヒー感」が、甘さの感覚で消えて行くのか、あるいは、刺激的な嫌な感覚がにじみ出てくるのかを判定する。

3. 酸味の特徴評価(10点)
コーヒーが如何に明るさを持つか。明るい爽やかな、あるいは繊細な酸味がどれ程であるかが評価対象。良質の酸味は、コーヒーに生き生きとした印象度を与え、繊細さ、しっかりとしたバックボーンを与えるもの。

酸度の強さではなく、酸の質について評価をする。反対に、刺激的な酸味、不快な印象度を与える酸味、爽やかさ・キレの無い酸味、劣化した嫌な酸味は、スペシャルティコーヒーには有ってはならない。

4. 口に含んだ質感(10点)
コーヒーにより伝えられる触覚。口に含んだ質感には、粘り気、密度、濃さ、重さ、舌触りの滑らかさなどの感覚・触覚が含まれる。口に含んだ時の量感は、質感とは同じではない。量感に気をとられ過ぎると不快なザラツキによる触覚をコクと誤って判断する結果となる。質感の品質を評価せねばならない。

5. フレーバー(10点)              
風味。口に含んだ液体から鼻が感じる香りを伴った味を評価する。「風味」と表現される。味覚と嗅覚との組み合わせで、たとえば、「花のような香り」「果物に例えた味」などで表現される。

6. バランス(10点)
コーヒーは風味の調和が取れているのか? 何か突出するものは無いか? 何か欠けているものは無いか?

7. カップ・クォリティのきれいさ(10点)
これはコーヒーの品質の基本的スタートポイントとなるもの。カップのきれいさとは「汚れ」又は「風味の欠点・瑕疵(カシ)」が全く無い事。コーヒーの栽培地特性(キャラクター)がはっきりと表現されるために必須な透明性があること。風味の「汚れ」「欠点」があると、栽培地特性による風味のプロフィールが隠され、飲む人が感知できにくくなる。

8.甘さ(10点)
コーヒーのチェリーが収穫された時点で、熟度が良く、且つ熟度がどれほど均一であったかに直接関係する甘さの感覚。甘さとは、焙煎されたコーヒーに含まれる糖分の量が絶対的なものではなく、甘さの印象度を創造する他の成分・要素との結合にも依存する。

又、糖分が高くても、甘さを感じることを阻害する要因―辛さのある苦味、刺激的な酸味、強い汚れ、渋み等が有ると甘さを感じにくくなる。

9.ネガティブ・ポイント(20点)
雑味や異臭などの欠点の事で、20点保有の中からマイナス点を引く。それらの合計で、

80点以上~「スペシャルティコーヒー」
85点以上~「スペシャルティコーヒー・オリジン」
90点以上~「スペシャルティコーヒー・レア」

ドリップ抽出(透過法)

ドリップ抽出(透過法)

②スペシャルティコーヒーの風味を生み出すには

コーヒーの「素晴らしい風味」は、豆の焙煎や抽出方法だけで決まるものではありません。
コーヒーの味の8割は「生豆」で決まるといわれます。

生豆の生産者、生豆焙煎業者、焙煎豆抽出者、抽出液提供者、これらコーヒーというものに関わる全ての人がスペシャルティコーヒーを理解し、本当においしいコーヒー、素晴らしいコーヒーの液体を消費者の口に入るまで全てに責任を持たなければいけないのです。

スペシャルティコーヒーは、以前はチョコレート香味でボディがしっかりしたコーヒーが賞賛されていましたが、現在は、味よりも、オレンジ、ピーチ、マンゴーなど柑橘系の香りや、花のフローラルな香りが高評価を得られるようになってきました。

よって、焙煎も深煎りコーヒーのエスプレッソから、浅煎りコーヒーのエスプレッソ、ブレス等に変化してきました。たしかに、ブレスやエスプレッソは安定した抽出が簡単に出来るようですが、やはり、良い香味だけの「珠玉の一杯」、「最高の一杯」を抽出するには、やはり「ドリップコーヒー」が一番だと私は思います!

ドリップ(透過式)法は、ある程度の知識と技術さえ覚えてしまえば、いろいろな香味のレベルが高く楽しめる抽出法です。

スペシャルティコーヒーには、確かにいろいろなキャラクターの高品質なコーヒーがたくさんあります。しかし、スペシャルティコーヒーだけが良いコーヒーという事ではありません。

それ以外にも多くの素晴らしいコーヒーがたくさんありますので、そのことだけはご理解していてください。

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