岡希太郎 著
いつもありがとうございます。
人生100年時代!
最近よく耳にする言葉です。
医療の進歩が進み、平均寿命が延びましたが、ただ長生きするのではなく、「健康で長生き」がテーマとなっています。健康な体で毎日の生活を送るには、健康な食生活と、軽い運動や睡眠など、健全な生活がとても大切だといわれています。特に近年は健康食品がとても注目されています。
テレビなどで「ナニナニが健康に良い!」などと、健康食品が紹介されると、日本全国の方がこぞって買い求め、「たちまち商品が品切れになる」などの現象が頻繁に起きています(笑)
確かに健康であることは生きて行く上で一番大切だとは思いますが、何々だけ食べれば健康になれるなどという食品はありませんので、いろいろなものをバランスよく摂取することが大切です。そして、どのように食べるのかにも気を付けなければなりませんね!
ではコーヒーはどのようなものを、どのように飲むのが健康に良いのかを、最近の研究結果から抜粋して簡単にお話しいたしましょう。
① 良いコーヒーの楽しみ方
a.良質で新鮮なコーヒー豆を選ぶ
b.挽きタテ(コーヒーミル)、淹れタテ(ドリップ式)で・・・。
c.あとは、自分流に楽しむ・・・
② コーヒーの薬用効果
コーヒーの薬用効果の主な成分は、カフェイン、クロロゲン酸、ニコチン酸です。
〇 カフェインは、コーヒーの最も特徴的な成分で、お茶やココア、コーラなどの食品にも多く含まれています。焙煎が深くなると、多少カフェインが少なくなるといわれていますが、1杯のコーヒーにする量ではあまり変わりません。
カフェインの効能としては、眠気覚ましなどの興奮作用や尿の排出を促す利尿作用などが広く知られていますが、このほかにも「自律神経の働きを高める」 「集中力を高め作業能力を向上させる」 「運動能力を向上させる」など、様々な効果が明らかになっています。覚醒作用や解熱鎮痛作用があり、眠気、倦怠感、頭痛に対する効果がある医薬品としても使用されています。
但し、カフェイン自体は劇薬ですので、摂りすぎには十分注意が必要です。コーヒー1杯のカフェイン量は約0.1gといわれています。致死量に達するには3gといわれていますので、一度に30杯のコーヒーを飲めば「死ねる」といわれています。薬は用法容量に注意して摂取してください。
1日に4杯以上飲む方は、カフェインがほとんどないデカフェ・コーヒーをお勧めいたします。
「いろいろなドリンクのカフェイン含有量」
種類 量 カフェイン含有量
玉露 1杯(150ml)・・・・・・・・・・・・・180mg
コーヒー(ドリップ)1杯(150ml)・・・・・・100mg
ココア 1杯(150ml)・・・・・・・・・・・・・ 45mg
抹茶 1杯(150ml)・・・・・・・・・・・・・45mg
コーラ 1缶(350ml)・・・・・・・・・・・・・34mg
紅茶 1杯(150ml)・・・・・・・・・・・・・・30mg
緑茶 1杯(150ml)・・・・・・・・・・・・・・30mg
ウーロン茶 1杯(150ml)・・・・・・・・・・・30mg
玄米茶 1杯(150ml)・・・・・・・・・・・・15mg
〇 クロロゲン酸はダイエット効果、美肌効果、血糖値を下げるなど糖尿病の予防効果もあるといわれています。
クロロゲン酸は主に褐色の色味や、苦味・香りのもととなる物質で、抽出時間が長すぎたときにあらわれる雑味の原因はこのクロロゲン酸だともいわれています。コーヒー1杯(約140cc)には約280mgのポリフェノールが含まれ、これは赤ワインと同程度、お茶の約2倍に相当します。
③ 焙煎の深いコーヒーと浅いコーヒーはどちらが身体に良い?
参考資料・・・・東京薬科大学名誉教授の岡希太郎「コーヒーと健康」より抜粋
イ) 焙煎が浅いコーヒーの薬用効果・・・クロロゲン酸によるポリフェノール効果(美肌効果、活性酸素の除去)
ロ) 焙煎が深いコーヒーの薬用効果・・・ニコチン酸による抗酸化作用(老化予防)
ハ) 日本人が最も好む中煎りコーヒーの薬用効果は?
【総評】
「浅煎りコーヒー」には、ポリフェノール効果が得られるクロロゲン酸が多く含まれていて、果物などビタミンCと一緒に摂取すると効果は倍になるそうです。よって浅煎りコーヒーのつまみには果物が良い!という事ですが、香りや酸味などの刺激が強いものは、せっかくのコーヒーの香味の邪魔をする事も考えられますのでいかがなものでしょうか?(笑)
一般的にポリフェノール効果があるといわれている飲み物は赤ワインですが・・・・、赤ワインを朝から何杯も飲む方はいるのでしょうか?また毎日欠かさず飲み続けるのはいかがなものでしょうか?ポリフェノール含有量が多いといってもアルコール飲料ですので、そのように毎日摂取すると健康を害しますよね!
コーヒーは毎日朝から飲んでも健康を害することはほとんどない健康飲料ですので、ポリフェノール効果は赤ワインよりコーヒーの方が、はるかに毎日手軽に摂取することができますね。
しかし、コーヒーに含まれるクロロゲン酸は、深煎りにすればするほど含有量が減少していき、フレンチローストではほとんど含まれませんので、深煎りコーヒーにはポリフェノール効果は期待できません。
「深煎りのコーヒー」には、焙煎が進むにつれ、もともとの生豆に多く含まれていて、認知予防に良いといわている物質「トリゴネリン」が、「ニコチン酸(ナイアシン)」に変化し現れてきます。
この、ニコチン酸は血液をサラサラにして血行を良くし、抗酸化作用(アンチエイジング)があり、いつまでも若さを保つといわれています。ニコチン酸はクロロゲン酸とは逆に、深煎りコーヒーに多く含まれ、浅煎りコーヒーにはほとんど含まれないのです。これが多く含まれる食品はキノコ類と豆類とコーヒーくらいで、他の食品にはほとんど含まれていないそうです。
キノコや豆類は朝昼晩と毎日食することができますか?
コーヒーは毎日朝昼晩と飲むことができますよね。
ニコチン酸は深煎りコーヒーが一番手軽に摂取できますね。
では、多くの日本人が好む中煎りのコーヒーならばどちらの効用もあるのではと考えられますが、実は、どちらの効用も少ないという結果が出ています。よって、朝に浅煎りコーヒー、昼に深煎りコーヒー、夜にデカフェのコーヒーと、1日3杯飲むと死亡率が25%下がり、100歳まで若く美しく健康で生きられます!!
コーヒーは毎日欠かさずに飲んでも体に負担がなく健康を害することはありません。コーヒーにはいろいろな薬用効果もあり、安心して毎日飲むことができる健康飲料なのです。
④ 「コーヒーはいつ飲むといい?」(血糖値の上昇を抑える)
イ) 食前
ロ) 食中
ハ) 食後
ニ) 食間
【総評】
コーヒーは血糖値を下げ、糖尿病を防ぐといわれています。では、いつ飲むと効果的かというと、食後のコーヒーは胃酸を分泌して消化吸収を高める効果があり、血糖値も下げる効果がありますが、もっとも効果があるのは、食べ物と一緒に摂取する食中が良いそうです。中部地区のモーニングタイムなどは、そういった意味では素晴らしい珈琲文化といえるのかもしれませんね。尚、食前や食間に大量にコーヒーを飲むと、カフェイン効果によって、胃液が胃壁をとかし胃が気持ち悪くなる事がありますので注意してください。また、健康コーヒーは良質で新鮮な豆があってこそだという事だけは忘れないでください。
焙煎後3~4週間以上(賞味期間)過ぎた豆だったり、粉にして売っているドリップパックコーヒー、液体にして売っているリキッドコーヒー、缶コーヒーなどは、残念ですが健康コーヒーとは呼べません!1人でも多くの方に、健康なコーヒーを手軽に安価に毎日家庭でお飲みいただける「ホームコーヒー」を知っていただきたいですね。
