44年かけて収集した100種類以上のカップ群
いつもありがとうございます。
いよいよオリンピックの開催が近づいてまいりました。新型コロナウィルのワクチン接種が高齢者から始まりました。私はまだまだ先なのかな?と思っていましたら、いつの間にか高齢者となっていたので(笑)、6月中には打てそうです。
しかし、コロナウィル自体がいろいろな国で変異して、だんだん感染力が強くなってきましたので、必ずしも、ワクチンを打ったからといって安心できません。今、世界中の人々が制限された生活の中で、必死にこの感染病と闘っています。
歴史は繰り返されるといいますが、過去にもこのような疫病と闘って乗り越えてきた歴史がありますので、必ずや乗り越えられると信じています。明るい未来を信じ、少しだけ我慢して、少しだけ頑張って生きていきましょう!
さて、マイセン窯によって、18世紀にヨーロッパで初めて陶磁器が発明されました。その後、ヨーロッパのいろいろな国で陶磁器(白磁)が発明され、名窯といわれる陶器メーカーが出来ました。今回はイギリスで発明された牛の骨を使ったボンチャイナを紹介いたします。
その前に、「コーヒーカップ」の種類や形状を少しだけ知っていただこうと思います。
では、コーヒーカップにはどのような種類があるのでしょうか?
■ 「コーヒーカップの種類と容量(8分目の量)」
◎ レギュラーサイズカップ(120cc~150cc)
最も標準的なカップで、通常使用されている大きさのカップ。
◎ モーニングカップ ( 160~180㏄)
喫茶店などではアメリカンコーヒーといわれるものや、日本式のカフェオレに使われることが多く、少し多めの量を飲みたいときに最適です。
◎ マグカップ (180cc~220cc)
マグカップは、大型の持ち手つきコップとしてコーヒー以外の飲み物にも使用されることが多いコーヒーカップです。保温性の高さからスープやラーメンなどにも使われることがあります。逆に言えばマグカップは、コーヒーカップとして意識されずに普及していったコーヒーカップであるともいえます。
◎ デミタスカップ(45cc~70cc)
デミタスカップは、エスプレッソコーヒーに使用される小さめのコーヒーカップです。エスプレッソコーヒーは通常のコーヒーに比べて量が少ないため、デミタスカップのような専用のコップが必要になっていった経緯があるのです。
◎ カフェ・オ・レ・ボウル(220cc~250cc)
カフェ・オ・レ・ボウルは持ち手がなく、ティーカップのように口が大きいカフェ・オ・レ用のコーヒーカップです。コーヒーと牛乳を同時に注いで作るカフェ・オ・レの性質に合わせたコーヒーカップ。
◎ タンブラー(200cc前後)
タンブラーは、いわゆる「シアトル系コーヒー」を扱うカフェを中心に使用されているコーヒーカップです。タンブラーの利点は、マグカップ並みの容量を持っていて、テイクアウトが容易であることです。
■「コーヒーカップとティーカップの違い」
コーヒーカップとティーカップの間には、厳然たる違いがあります。一般的には、背が高いのがコーヒーカップで、背が低いのがティーカップといわれています。
コーヒーカップの口は、少し内側に向かうように作られていて、形状は垂直で深いものが多いです。コーヒーカップの口が狭くカップが深いのは、「香り」を逃がさないためと、冷めにくくするためだといわれています。ティーカップの口は、広がりが外側に大きく作られていて、形状は浅く作られています。
紅茶は、コーヒーよりも高温のお湯で淹れるので、飲む時に飲みやすいように、口が大きく広がって冷めやすい形状になっているのでは、と。また、浅いカップのほうが、エキスの色と透明感と濃度が分かりやすい、という事も重要な要素でもあると考えられています。薄くて透明感があるので、カップの中に模様が描かれているのもティーカップの特徴です。
左の形状が「リー」で、右が「ボンド」・・ウェッジウッド社
■「コーヒーカップの形状と特徴と味覚」
コーヒーには3種類の「香り」があります。
①「フレイグランス」
コーヒー豆をミルで挽いた時に出る香り。
②「アロマ」
抽出などでコーヒー粉にお湯を注いだ時に立ち上る香りやカップに注がれたエキスから薫る香り。
③「フレーバー」
コーヒーエキスを口に含んだときに、鼻孔へと抜けていく香り。フレーバーの香りは唯一「香味」という味なのです。
焙煎の深い苦味系のコーヒーは、厚くて縁の狭いまっすぐなタイプのコーヒーカップが向いているといわれていて、コーヒーが冷めにくく香りが集中するので、香りを楽しむヨーロッパの方々に向くといわれています。
ヨーロッパにおけるトラディショナルなコーヒーカップの特徴は、コーヒーの香りを逃さないように、筒形で口が小さめになっていることです。また、エキスの温度が下がると香りが弱くなるので、アロマの香りを長持ちさせるために、少しでも「熱さ」が保てるように空気に触れる面が小さく作られていたのです。
ヨーロッパは、昔から香りを重視する文化ですので、香水や香料などが数多くの種類があり、生活と密着しています。しかし、我々日本人は、香りよりも味わいを重視する傾向にあります。
また、世界でも珍しい砂糖やミルクなど混ぜ物をしないブラックでコーヒーを美味しいといって飲む文化なので、世界とは少し違ったカップを好むようです。日本人は混ぜ物をしないブラックコーヒーを好みますので、カップの中のコーヒーエキスの透明感や、飲んだ時に香味(特にフレーバー)や微妙な味わいを感じられやすい、白磁で薄手の少し口が広がったタイプ(深めのティーカップや兼用といわれるカップ)のコーヒーカップが好まれています。
このように、カップの形状や質は目的によってもそれぞれ違いますので、カップを選ぶ時の参考にしてください。今回は紅茶の国といわれている「イギリス」の磁器の発明と名窯をお話いたします。
ウェッジウッド社のカップ・・・ボーンチャイナ
【イギリスのボーンチャイナ】
※一部Wikipedia参照
イギリスといえば、18世紀ごろにロンドンで発明されたボーンチャイナと呼ばれる乳白色のなめらかな陶磁器ですね。ボーンチャイナは1748年、トーマス・フライ(英国人)によって発明されたそうです。
磁器の種類のひとつで、英国では磁器の主原料であるカオリンの不足を補うために、原材料の一部に牛の大腿骨の灰を混入、使用しました。しかし、この技術では大量生産ができなかったため、その後、スポード親子が2代50年に渡る研究で量産型の方法をあみだし、スポードはボーンチャイナの実質的な発明者としてロイヤルワラント(王室御用達)となりました。
メーカーにより原材料比率は異なりますが、カオリン25%、コーニッシュ石25%、骨灰50%とされています。かつては、リン酸カルシウムを多く含む牛の骨灰(コッカイ)のみが添加されていましたが、近年では骨灰を使わずに直接骨リンを用いる方法もあります。乳白色でなめらかで、一般磁器に比べ素地が薄いにもかかわらず、チッピング強度が強いとされています。乳白色の温かみの中にも透光性があり世界中に広まりました。
また、ボーンチャイナは特殊な釉薬を使用し、2次焼成を低温で行うため、顔料を使用することができ、白磁器よりもより多くの色彩を演出することが可能でした。手間をかけて作られたボーンチャイナには美しい絵や微細な模様のカップが多いです。
①「ウェッジウッド」
「ウェッジウッド」は、“英国陶工の父”と讃えられるジョサイア・ウェッジウッドによって、1759年に創設されました。常に新しいものに挑戦して時代をリードする革新的な精神を持っていたジョサイアは、英国の産業革命の立役者の1人ともいわれています。1766年、時のシャーロット王妃より「王室御用達の陶工」と認められ、当時、王侯貴族を魅了した「クリームウェア」には「クイーンズウェア」の名が与えられたそうです。そして、ウェッジウッド社の芸術性の高さは、英国王室はもちろんのこと、全世界の王侯貴族たちにも愛されました。
ジョサイアは研究や実験を重ね、数千回もの試作の末に誕生させたウェッジウッドオリジナルの素地「ジャスパー」の発表など、順調な躍進を続け、世界でも揺るぎない高級テーブルウェアブランドへと飛躍を遂げました。
【寸評】
イギリスを代表するウェッジウッド社のカップは、乳白色の温かみのあるボーンチャイナで、質、デザイン、形状など、バリエーションが豊富です。
※ 参考資料 「優しいウェッジウッド入門」より・・http://minako.sunnyday.jp/beginner.html
カップ&ソーサーは大きく分けて、紅茶用(2種類)、コーヒー用(2種類)、そして紅茶珈琲兼用(2種類)の全部で6種類に分けられます。
◎紅茶カップ・・ ①ピオニー ②ヴィクトリア
◎兼用カップ・・ ③リー ④デルフィ
◎珈琲カップ・・ ⑤キャン ⑥ボンド
この形状の中でも珈琲と紅茶のどちらでも使える兼用カップ「リー」の形のカップが、私はとても好きです。取っ手も持ちやすく、カップの大きさも手ごろで、質もよく、なんといっても形が素晴らしいです。
このカップにコーヒーを注ぎいれると、エキスの透明感が良く分かり、コーヒーが光って見え、とても美味しく感じます。特に、日本で好まれているブラックコーヒーにはとてもマッチしたカップで、いろいろな種類の柄のカップをたくさん集めています。提供するカップとしては一番好きなカップです。
ヨーロッパでは紅茶に良く使われていて、珈琲カップは「キャン」や「ポンド」の筒形形状スタイルが使用されることが多いようです。なぜなら、砂糖とミルクを入れて飲む習慣ですので、透明感を楽しむというよりは、コーヒーが冷めないようにこの形となっているようです。
いずれにしても、ウェッジウッド社のコーヒーカップは、優しくて、デザインも色も素敵で、とても使い易く値段も手ごろなカップですので、皆さんも是非一客手元に持っていただきたいですね。
但し、一つだけ難点を申し上げますと、釉薬と生地が柔らかく、砂糖を入れてスプーンでゴリゴリかき混ぜると傷がつきやすく、傷が黒ずんで汚くなりますので、定期的に漂白をかける必要があります。ブラックで飲む方は、ほとんど問題はありませんが、硬いタワシ等で洗うと傷がつきやすいです。
スポード社のカップ・・ボーンチャイナ
②「スポード」
1770年、陶芸家のジョサイヤ・スポードによって創業。焼き物の町として知られるストーク・オン・トレントに開設した陶器工場が始まり。ファインボーンチャイナの完成と銅版転写による下絵付け技法において、英国陶磁器界に大変な功績を残した名窯 スポード社(SPODE)。1806年、ジョージⅣ世より英国王室御用達の栄誉を得ました。1816年には、銅版転写技術の集大成と呼ばれる、古代ローマをモチーフとしたブルーイタリアンシリーズを発表し、約200年経た現在まで変わらず愛され続ける永遠のベストセラーとなっています。その伝統は、英国ポートメリオン社の傘下となった今も引き継がれています。
【寸評】
ボーンチャイナの生みの親ともいえるスポード。生みの親という歴史的にみても大変貴重で、素晴らしいメーカーなのに、何故か日本では知名度が低く、販売しているお店が少ないのです。もっと人気が出てもいいと常々思っています。絵柄は転写がほとんどなのですが、手に取って見ると、重厚感があり気品があり、そのバランスの良さ、質の良さが瞬時に伝わってきます。
私はイギリスのボーンチャイナが大好きで、温かみのある乳白色はとても気持ちを和ませます。スポードのカップは開店当時(1977年)からデミタスカップやレギュラーカップ、モーニングカップまでたくさん所有していて、お客様にも積極的にお出ししています。
ロイヤルクラウンダービーのカップ・・ボーンチャイナ
「エリザベス」の名がついた芸術作品のようなカップ。繊細な柄や線はすべて手書きで描かれている
③「ロイヤルクラウンダービー」
1750年に創業したダービー社は、高い品質、確かな技術が英国王室に認められ、1775年に国王ジョージ3世より、商標に「クラウン」の使用を認められ、その後1890年にビクトリア女王によって「ロイヤル」の称号授けられました。「ロイヤル」と「クラウン」、二つの称号を冠する最高の栄誉を有するメーカーは英国でも稀です。
その中でも、「ダービー・ジャパン」シリーズは、いまでも生産され続けている食器パターンとしては最も古く、特に1882年頃始まった「オールドイマリ」はその代表作で19世紀初頭、日本の伊万里様式との出会いから誕生したシリーズで、今でも高い評価を得ています。
英国王室を始めとする王候貴族に愛され、その確かな技術、高い品質、美しいデザインは、イギリスで格調高いライフスタイルの象徴とされてきました。エリザベス女王の母は、1971年に当社工場に足を運ばれた際に、御自分の名前の新しい形の食器を作るよう依頼しました。
また、「タイタニック号」の一等船室の食堂で使われていたのが、ロイヤルクラウンダービーの食器だったそうで、船舶会社からの注文書の原本がダービーの博物館に保管されているそうです。
【寸評】
当店には100種類以上のカップがあります。今はインターネットで手軽にカップが購入できる時代ですので、ネットで買う機会が多くなりましたが、数十年前まではほとんど百貨店で直接観て、手に取って、重さや使い易さ、デザインや色などを吟味して買ってきたものです。
それぞれ一客一客に思い出があり、当店の歴史、軌跡として、値段には関係なく、いずれも買った時の思い出や長年使用した思いが詰まった大切なカップばかりなのです。昔は毎月、名古屋の百貨店でカップを鑑賞するのが趣味でした(高くてなかなか買えなかったですが、毎月、勉強のために観て回っていました)。二つの称号を持つロイヤルクラウンダービー社のカップは、開店当時からあこがれのカップでしたが、高価ですのでなかなか買うまでには至らずに眺めているだけでした。
数年たった時でしょうか。とある百貨店でロイヤルクラウンダービーの「エリザべス」の名が冠されているカップ(紅茶かな?兼用かな?)を観ていたら、店員さんに声をかけられました。「いつもご来店いただきありがとうございます。カップがお好きなのですね!」と・・・、毎月来ているので店員さんに覚えられていたのです。
「はい!特にロイヤルクラウンダービーのカップがとても好きですが、高価なので、なかなか買えなくて申し訳ございません」
「いえいえ! もしよろしければお値引きいたしますがいかがですか?35%引きではいかがでしょうか?」
百貨店で値引きしてくれるなんて思ってもみなかったので、びっくりしましたが、もともと65000円(当時)もするカップでしたので、35%引きでもかなりの高価になりますが、このチャンスを逃したら二度と買えないような気がして、「ありがとうございます。頂きます!」と答えていました。
答えたのはいいのですが、財布にそれだけのお金があるか確かめずに返事をしてしまったので、慌てて財布の中身を確かめました。何とか帰りの電車賃が残るだけは持っていましたので、それこそ有り金全部!スッカラカンになりましたが購入しました。
ロイヤルとクラウンとエリザベスの三つの冠が付けられているカップは世界でもこれだけです。生地の透明感も素晴らしく、上質でデザインも素晴らしく、品があり、今まで買ったカップでは一番高かったですが、沢山の思い出が多く詰まったカップでもあります。
上絵はすべて手書きで描かれていて、特に金線においては、職人の技術の高さと、仕上げるまでの手間、時間など考えると気が遠くなるような手仕事で、まさに別世界の芸術品です。カップの中まで模様が描かれていますので、飲むというよりは観賞用として楽しんで満足するカップなのかなぁ?と思います。
今まで、一度だけお客様の要望でお出ししたことはありますが、その後はお断りしています(笑)
皆様にも、一度は手に取ってご覧いただきたいとても素晴らしいカップです。
ロイヤルアルバート社の「オールドカントリー・ローズ」・・ボーンチャイナ
④「ロイヤルアルバート」
1896年にトーマス・ワイルドとトーマス・クラーク・ワイルド親子がストーク・オン・トレントにおいて創業。1962年に「オールド・カントリー・ローズ」を発表した。イギリスの国花であるバラの花柄を古典的に描いた、誰にも親しまれるデザインが人気を呼び、単一デザインで総生産1億ピース以上を誇り、世界最大生産数のベストセラーとなる。また「オールド・カントリー・ローズ」は「モントローズシェイプ」と呼ばれ、紅茶を最もおいしく飲むための究極のシェイプといわれており、上半分が横に向かって広がっていて、紅茶はできあがり時の温度が非常に熱いことから、紅茶の表面積部分を広く取り、速く冷まして飲むためである。また、モントローズの下半分はウエストから丸くふくらんでおり、この部分の対流で紅茶の温度とうまみを保てるようになっている。
【寸評】
元々は紅茶カップですが、当店では開店時からウィンナコーヒー(カップコーヒーにホイップクリームをのせるコーヒー)に使用しています。口の広がりの傾斜がとても良く、甘いホイップクリームと苦味のコーヒーの量が、バランスよく口の中に入る形状になっていて素晴らしいです。
それ以外のコーヒーには使いませんが、ホイップクリームをのせたコーヒーには欠かせないカップです。
⑤その他「ロイヤル ドルトン」など・・・・。
イギリス最大級の陶磁器メーカー「ロイヤル・ドルトン」は、1815年にジョン・ドルトンがジョン・ワットの共同出資を受けてロンドンのランベスで炻器(ストーンウェア)をつくる企業として創業。1877年以降はボーンチャイナを導入し、芸術的テーブルウェアを創造し、1901年には「ロイヤル」の称号を与えられる等、世界最大の陶磁器メーカーの一つとなっています。
2015年7月、ロイヤルコペンハーゲンを所有するフィンランド企業、フィスカースに買収され、ウェッジウッド、ロイヤルアルバートと共にWWRDグループホールディングスの一員となった。
◎「WWRDグループ」とは・・・。
(W) WEDGWOOD(ウェッジウッド)
(W) WATERFORD(ウォーターフォード)
(R) ROYAL ALBERT(ロイヤル アルバート)
(D) DOULTON(ロイヤル ドルトン)
の略語です。
WWRDグループは、ウェッジウッド、ウォーターフォード、ロイヤル ドルトン、ロイヤル アルバート等、世界的に有名なラグジュアリーホーム&ライフスタイルブランドとして製造・販売事業を展開。また、ラグジュアリーホーム&ライフスタイル市場において、ヴェラ・ウォン、ジャスパー・コンラン等、著名なデザイナーとのライセンシング事業も展開。その後、「ハドンホール」を持つミントン、世界最大数の生産量を誇る「オールドカントリーローズ」を持つロイヤルアルバート、イギリス陶磁器最高の「ロイヤル」と「クラウン」の称号を持つロイヤルクラウンダービーを傘下におさめ、世界最大の陶磁器メーカーの一つとなりました。
【参考資料】
http://clmclient.com/WWRDIPK/
【総評】
紅茶の国といわれているイギリスですが、初めはコーヒーハウスから始まりました。
17世紀半ばから18世紀にかけて、イギリスで流行した社交場の機能も兼ね、大きな社会的役割を果した「コーヒーハウス」。 イギリス最初のコーヒーハウスは1650年にユダヤ人のジェイコブズという人がオクスフォードに開いたといわれています。
その後、国内の諸事情やコーヒー貿易でオランダなどに先を越された、などの理由で、仕方なしに紅茶貿易に切り替え、紅茶の国といわれるようになったようです。
18世紀ころ、紅茶貿易をほぼ独占し富を得ていたイギリスですが、最大の植民地のアメリカの独立運動などで、だんだんその勢力を失っていきました。
今は、イギリスもコーヒーの消費量が紅茶を上回りましたが、紅茶の時代が長かったイギリスでは、やはり紅茶用のカップがバラエティーに富んでいてとても多いです。
しかし、これからはコーヒーカップのバリエーションも多く開発されるのではと期待しています。
イギリスで開発された「ボーンチャイナ」は、高品質で絵付けのバリエーションも豊富で、生地の乳白色の色合いがとてもやさしく、コーヒーが美味しそうに映え、手に持つだけで気持ちが落ち着きます。
特にウェッジウッド社の「リー」の形状のカップは、ブラックコーヒーを楽しむ日本人には合います。
とても使い易く、持ちやすく、飲みやすいので、私は、昔から沢山の種類のカップを集めていて、今では店で一番多くのカップがあります。
値段はそれほど安くはありませんが、品質的に言ったら決して高くはありませんので、皆さんにも是非一客お持ちいただき、自分で淹れたコーヒーを楽しんでいただきたいと思います。
・・・・次回はイタリアのコーヒーカップをご紹介いたします。
