珈琲美美・森光充子さんと珈琲の話でも・・Part2 珈琲美美・森光充子さんと珈琲の話でも・・Part2
珈琲美美・森光充子さんと珈琲の話でも・・Part2

珈琲美美・森光充子さんと珈琲の話でも・・Part2

更新日:2017年11月22日
森光充子さん(右)と私

森光充子さん(右)と私

いつもありがとうございます。前回からの続きとなります。

・・・森光充子さんが淹れた「ゴールデンハラール」を頂き、会場を旧店舗に移して、第二部「森光宗男さんを偲ぶ会」を開催しました。

4人

森光充子さん、私、小坂章子さん、田中智子さん(左から)

MCは私が務めさせていただきました。まずは森光宗男氏を偲び、黙とうから始めました。故人を偲ぶことが大切なのですが、実は、これでみんなの気持ちが一つになるのです。

先ず私が、森光さんとの出会いや何度もご一緒した珈琲の旅の思い出、師としての教え等々をお話させていただきました。私自身も、故人思いに浸りながらの話でしたので、なかなかまとまりのない話になったのではないかと思いますが、生徒たちは私の気持ちを何とか汲み取ろうと一生懸命聴いてくれていました。実際、森光さんとのは一時間二時間で話せる程度のものではありませんが、出会いからの話を、その思いをプリント資料として配りましたので理解いただけたと思います。

名著 「モカに始まり」

名著 「モカに始まり」

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◎【プリント資料】

New 珈琲美美「森光充子さんの珈琲を飲もう!」2017年10月2日

「故・森光宗男氏」
1947年福岡県久留米市生まれ、72年より5年間、東京吉祥寺「もか」標交紀師のもとで珈琲を学ぶ、77年福岡市今泉で自家焙煎・ネルドリップの店「珈琲美美」を開く、2009年同市赤坂に移転、2010年「モカに始まり・・」森光宗男・著作本出版。2016年12月7日、韓国ソウル空港で突然お亡くなりになられました。

「珈琲美美」
言わずと知れた九州の名店。あくまでも「一杯の珈琲」から世界を観るという立場を貫き、ネル・ドリップの澄んだ珠玉の珈琲にこだわり多くの珈琲通に支持されています。2016年店主森光宗男氏が突然お亡くなりになり、その後、奥さんの森光充子さんが継承しています。

森光さんには本当に珈琲の神様がついていたと、私は今も思っています。これは森光さんと苦難を共にしてきた人だけが感じる事なのでしょうが・・・。コーヒーを志す人、携わっている人には、是非、赤い実を食べに産地に出かけていただきたいです。森光さんとはその後、イエメン3回、エチオピア3回、ケニア、タンザニアとさまざまなコーヒーの旅をご一緒させていただきました。私の今があるのは、森光さんのおかげです。森光さんの話をすると、それだけで一冊の本が書けるくらい思い出が強く深いのです。

森光さんは2012年、モカコーヒー産地めぐりの体験を一冊の本にまとめました。手の間文庫から出版された「モカに始まり・・」という本で、生涯で出版した本はこれだけです。素晴らしい内容で、コーヒーに携わる方にはすべてが参考になる名著中の名著です。私も昭和初期から、名著といわれる珈琲本はほとんど持っています(約200冊)が、こんなに素晴らしい本はめったにありません。特にモカコーヒーに関しての資料は永久保存版と呼ぶに値します。ぜひ多くの方にお読みいただきたいのですが、すでに絶版になっています。

中古市場では一時的に一万円の価格が付きましたが、それも今は買うこともできません。再版本の声が日増しに高まり、今回再版に向けて「クラウドファンティングで再版を可能にしよう!」という動きとなりました。前回の本に過筆して「産地版」として出版されます。是非みんなで力を合わせて応援しましょう!!(注)現在は終了しました

森光さんは全人生をモカコーヒーの研究と共にネルドリップの普及にも努めた方です。ネルドリップの信仰者、または伝道師としても有名です。「コーヒーはドリップで始まりドリップで終わる」といわれていて、いろいろな抽出器の中でも、ドリップコーヒーが一番良い香味が出るということは何度もお話ししてきましたね。その元、原点にあるのがネルドリップです。

一手間も二手間もかかるネルドリップで淹れたコーヒーは、他の追従を許さない素晴らしい香味のコーヒーが出来上がります。「手の中にだけ真実がある」。これは森光さんの著書の中の言葉です。滴一滴・・丁寧な手仕事によってのみ抽出される「珠玉の珈琲」。

2014年の渋谷のヒカリエで行った「ネルドリップを楽しむ会」を皮切りに、日本各地、韓国のソウルなどでも、ネルドリップの良さを知っていただくための会を多く行っていました。

森光さんは病気を抱えていて体調が万全ではないにもかかわらず、本当に精力的に自らの身体を酷使して普及に努めていました。まさに「命懸けで・・・」2016年12月7日、まさに青天の霹靂。12月7日に韓国ソウル空港の待合室で帰らぬ人となったのです。もうすぐ69歳となられるところでした。死因は不明ですので「突然死」と判断されました。森光さんは、生涯を、ネルドリップの普及に努め、モカコーヒーの研究に尽力された方です。

私は、報告を受けた日からしばらくはどうしてよいかわからず、茫然自失状態でした。仮通夜、通夜、本葬と3日間博多にてお悔みに行って参りました。私にとっての珈琲の師「森光宗男」は、真に珈琲の神様になったのです。師の功績は計り知れません。前にも書いたように、師を語る時、一冊の本では到底おさまらないくらい濃くて深い素晴らしい珈琲人生を歩まれた方なのです。

残された私達(森光氏と珈琲の旅を共にした同志グループ)は、森光氏が開いてくれた「モカの道」を繋げていく事に全力で取り組んでいかなければなりません。珈琲美美は現在もそのまま営業を続けています。自らの死を予言していたのでしょうか?2年ほど前から奥様の充子さんに焙煎の技を伝えていて、奥様が焙煎を任されていたようです。

森光さんはもういませんが、これからも森光宗男流珈琲を充子さんが進化させ「森光充子流美美珈琲」として繋いで行き、多くの方に感動と安らぎを与え愛されていくことでしょう!

今日の珈琲とお話を皆様の記憶に留め置いてください。本日はご来場いただき誠にありがとうございました。
待夢珈琲店
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3人2

森光充子さん、田中智子さん、小坂章子さん(左から)

私の後は、充子さんに少しお話をしていただきまして、その後、小坂章子さんが森光宗男さんとの思いでや、エチオピア旅行のビデを撮影での出来事をとても優しくお話しいただきました。

最後は田中智子さんが、「モカに始まり」の本ができるまでの苦労話や森光宗男さんとの思い出話をまるで前もって携えた原稿を読むがごとく流暢にお話していただきました。

その後、質問タイムを設けましたが、沢山の質問を頂きエンディングにふさわしい盛り上がりで終了しました。生徒の皆さんからは、その後、とても良かったとの声を多く頂きました。

お陰様でクラウドファンディングは最終目標額も達成して出版が決定しました。2冊構成になっていまして、今回は12月7日の森光さんの命日に出版される「産地版」の応募でした。2冊目は「抽出版」で、発売予定が来年の5月になるようです。今から楽しみですね。

当店よりに応募した方が73名もいて委員会のスタッフの方々に喜ばれると同時にその人数の多さに驚かれました。我が生徒は素晴らしく珈琲の好きな方ばかりで、25年以上珈琲教室をしてきた甲斐があったと嬉しく思いました。全国に誇れることのできる生徒達に囲まれて、これからも珈琲の世界を皆と共に広めていきたいと思います。

メモリアル

11月6日(月)
森光宗男 メモリアルコンサートが福岡あいれふホールで開かれ盛況だったそうです。

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