おもてなし・・・ おもてなし・・・
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更新日:2013年11月2日
メーサーシュミットと待夢珈琲店

メーサーシュミットと待夢珈琲店

いつもご覧いただき感謝申し上げます。さて、今回は、新店舗開店の続きを少し紹介させていただきます。また、読者の方から質問がきていますので、その回答も紹介させていただきます。

アンティークな店内

アンティークな店内”

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オープンして、多くのお客様にご来店いただき、日々感謝の気持ちでいっぱいです。若い方々にも、古き良き物の良さを知っていただきたいと思い、イミテーションではなく本物のアンティークと私が十数回イエメンやエチオピア、アフリカ諸国などで買いためてきたコーヒー関連の器具などを飾って小さな珈琲屋を創りました。

当店は、たかだか36年の歴史しかございませんが、来年には還暦を迎えようとしている珈琲屋のオヤジの年輪と歴史と気構えを、アンティークな店舗にオーバーラップさせました。

今日、珈琲店・喫茶店に「ロマン」がなくなったと言われて久しいですが、歴史の重み、温かさ、心地よさを知っていただくようなロマンあふれる店にしたいと思っています。

自家焙煎を初めて30年になりますが、焙煎をするにあたって、一番影響を受けた方がいます。
関西の珈琲人で、襟立博保氏です。

もう30年以上前にお亡くなりになられましたが、珈琲屋にとっては伝説の方です。そのお弟子さんが、東京の桜井美佐子さん(東京・“ダフニ”)と畠山(乗金)芳子さん(岡山県倉敷市“倉敷珈琲館”で現在は経営者が違う)でした。

私は、少しでも襟立さんの事が知りたく、お弟子さんの倉敷珈琲館に毎年出かけました、というより押しかけました。

当時、乗金さんはご夫婦で店を守っていまして、素晴らしい味と店とおもてなしをしておりました。忙しい間を縫って多くのお話をしていただきました。

とある年に一冊の「珈琲館」というタイトルのミニ本を頂きました。それは素晴らしい内容で、珈琲の、また、珈琲店の神髄がたくさん書かれており、まさに私が求めていた襟立流の珈琲道、珈琲哲学が満載でした。

書・川口茜連さん

書・川口茜連さん

私はその中から三つの言葉を拝借して、当店の理念といいますか「珈琲訓」とし、三重県津市の書家・川口茜連さんにお書き頂き、店の入り口に飾り、日々心に刻んでいます。

  • 縁尋機妙・・「よい縁がさらによい縁を尋ねていく仕方が実に機妙である。すべては縁によって繋がっている。」
  • 一期一会・・「茶会に臨む際は、その機会を一生に一度のものと心得て、主客ともに互いに誠意を尽くす。」
  • 余情残心・・「茶事が終わってお客さんを見送った後で、その残りの湯で亭主が自分でお茶をたてて飲み、あそこをもう少し工夫すればよかったなとか、もっとよい「おもてなし」をすることができたのではという風に考えること。」

まだまだ修業が足らず、このような気持でお客様を「おもてなし」することは出来ていませんが、常に心に留めておきたい言葉としております。

今回の店を創るにあたっては、木工職人、ライン引きの職人、画家、カリグラフィー作家などなど、今まで長くお付き合いいただいた珈琲好きな多くの方々に参加していただきました。完成までに一年半もかかりましたが、皆さんと共に創ったという実感でいっぱいです。

皆様から頂いた「感謝」の気持ちを何とか「おもてなし」の気持ちとして、珈琲でお返し出来るように日々精進してまいりますので、今後ともよろしくお願い申し上げます。
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さて、読者の「アクアマリン」さんから質問がきていますが、今回の質問の答えはとても困難です。

【質問】
「今井さんにとってインスタントコーヒーは邪道だとはおもいますが、インスタントコーヒーはどこで発明されたのでしょうか?そしてどのように作られるのですか?また、たまにインスタントのほうが美味しいという人がいますが、どんな成分がそうさせているのでしょうか?よろしくお願いいたします。」

【回答】
インスタントコーヒーに関しては2回目の「三つのコーヒー」で書いてありますのでご参照いただきたいと思います。

私自身はインスタント(ソリュブル)も缶コーヒーも邪道だとは思っていません。コーヒーは嗜好品ですし、味覚には個人差があります。しかも、レギュラーコーヒー、インスタント(ソリュブル)コーヒーになると、お店の数、その日に出会った味などを考えると、星の数くらいのコーヒーの種類になります。

それぞれを比べて、美味しい、まずいということはサハラ砂漠でコインを拾うことくらい難しいですし、無意味のように思います。要は、美味しいと評判の自家焙煎の店で多くの良いコーヒーを飲み、自身の味覚を磨き、自分で良い悪いを判断できる鋭い感覚を身に付けることが肝心だと思います。

問題が大きすぎて、珈琲屋に都合の良い回答になってしまいますが、どうぞご理解くださいませ。

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