今では一年中飲まれているアイスコーヒー
日本人が発明したアイスコーヒー!
暑い夏、汗をかいた後の、ほろっと苦いアイスコーヒーはさわやかで美味しく、疲れとストレスを一瞬にして取り除いてくれますね。
今、アイスクリームを一年中食べる時代になったように、アイスコーヒーも季節に関係なく、一年中美味しく愛飲されようになりました。
しかし、なぜかご年配の方に、暑い夏でもアイスコーヒーを飲まれない方が多く見受けられます。何故でしょう?お年を召しているからでしょうか?
私はこう思っています。昔のアイスコーヒーは粗悪で古い豆やチコリなどの代用品を混ぜて作っていたので、その時代に飲まれた方で、味覚の敏感な方や胃の弱い方などは飲むと気持ち悪くなり、その感覚がトラウマとなっているのでは?と。
新鮮で良質なコーヒーは消化吸収を高め体にやさしいですし、フローラルな良い香りがします。しかし、粗悪豆や古い豆で淹れたコーヒーは飲むと胃や気分が悪くなり健康を害し体に負担が生じます。また、敏感な方は香りを嗅ぐだけでも気分が悪くなります。
初めて出会ったコーヒーが、古いコーヒーだったり、淹れてから時間がたって再び煮出したコーヒーなどを飲まれた方は、その味と香りがトラウマになり、コーヒー嫌いになる方が多く見受けられます。
私たちが珈琲屋を始めた1977年(昭和52年)頃は、アイスコーヒーは初めから甘味付きで提供するのが常識でした。なぜなら、甘味をつけないととても飲めたものではなかったのです。その頃、私ども業界では「珈琲屋は夏に儲けろ!」などといわれていました。
当時、私はその意味がよくわかりませんでしたが、コーヒーの事をよく知ってくると珈琲屋(喫茶店)ではなく「ロースター(焙煎業者)は夏に安い豆(粉)を高く売って儲けろ!」だったのです。
しかし、こんな時代は長くは続きません。世界一の味覚を持った日本人は、アイスコーヒーをもブラックで飲んだり(混ぜ物をせずにブラックでコーヒーを飲むと味の良し悪しが簡単にわかる)、少しの甘味を入れて楽しむようになりました。
今では、甘味(シロップ)を別沿いにして提供するスタイルが主流になってきました。そうなると、さすがに粗悪なコーヒーを提供することができなくなり、アイスコーヒーも良い豆を使い美味しさを追求するようになったのです。
いろいろな焙煎濃度やストレート豆を使ったアイスコーヒーやバリエーションコーヒーもでき格段に質が向上しました。トラウマによってアイスコーヒーなどが苦手になった方も、一度、お近くの自家焙煎の珈琲屋で試しに飲んでみてください。
新しい味と香りに出会えるかもしれませんよ!なんといっても日本では、緑茶の四倍、紅茶の何十倍も飲まれているといれている飲み物なのですから。
