待夢珈琲店トップ待夢珈琲店トップ

珈琲を知っていただきたい。
珈琲の文化に触れていただき、
珈琲を身近においていただき、
あなたと誰かを珈琲が繋ぐように。

新店舗開店に伴い、待夢珈琲店は待夢珈琲ソサエティを発足しました。
より珈琲に触れて頂きたいと思い、随時、珈琲講師の方をお招きしていきます。
その軌跡をこのページに記しております。

「わかりやすいネルドリップ講座」 in 東京ヒカリエ

2014年9月1日(月)14:00~ 渋谷東京ヒカリエ



D&デパートメントプロジェクト主催、
「わかりやすいネルドリップ珈琲 」に講師として参加しました。





【講演会】
「珈琲と健康とネルドリップ」
(東京薬科大学名誉教授 岡希太郎)

【ドリップ講座】
 森光宗男   珈琲美美(福岡)
 大坊勝次   旧大坊珈琲店(東京)
 桜井美佐子  ダフ二(東京)
 今井利夫   待夢珈琲店(岐阜県)
 オオヤミノル カフェ工船(京都)

今や世界では日本だけとなった「ネル(布)ドリップ」



ネルで淹れるコーヒーは、なぜ美味しいのか・・


「美味しいコーヒーは粗挽きネルドリップで・・・」、
というキャッチコピーを聞いたことはありますか?


ネルとはフランネルまたはリンネルの略で起毛のある柔らかな布(綿)のことです。
このネルの濾し袋を用いたネル式ドリップ法は日本でも戦前・戦後に
コーヒーの抽出法として多くのコーヒー専門店、喫茶店等で主流をなしていました。
シンプルな抽出法でありながら、コーヒー豆が本来持つ味と香りなど
旨み成分をもっとも引き出す淹れ方で、ペーパーフィルターなど
他の抽出器には決して出せない舌触りの滑らかな至極のコーヒーとなります。


但し、豆の状態、豆の粒子、湯の温度、湯の差し方などで
微妙に味わいが変わりますので、適正な条件とある程度の技術がいりますが、
繰り返し淹れて習得して下さい。


●ネルドリップ法は・・・
1)ネル布の収縮性及び起毛により、
  蒸らしで粉全体を満遍なく膨らませることができる。
2)手で持ったネルを操りながら、
  じっくりと香味成分を十分に抽出することが出来る。


今でもネルにこだわりつづけているコーヒー専門店やコーヒーマニアはいますが
「手間がかかる」との理由だけで、その数は年々減っています。




●個性が生かせるネルフィルター

コーヒーの香りはオイルにしか溶けないので、
ペーパーで抽出すると紙の繊維がオイル分を吸い取ってしまい、
数十回使用してこなれたネルフィルターで抽出したエキスと比較すると、
その優位性は誰にでも感じることが出来ます。

また、ペーパードリッパーなどの既存の物とは違い、自分で考案して、
自分だけの味を自分で作る楽しみがあり、
使用法によって個性が生かせるフィルターです。

たとえば、ネル布の片側起毛の起毛面を内側にしたり外側にしたり、
両起毛のネルフィルターを使う、浅い、深いフィルターなど形状の違い、
合わせの数の違いなど、ネルフィルター一つで抽出される
コーヒーエキスの香味や使用法は違ってきます。

片起毛のネルは、起毛を内に向けるか外に向けるか、
いろいろなことが言われますが、内側にした場合、毛足がコーヒーの
微粉末を吸収して布目に詰まるのをさえぎり、
雑味の少ないろ過が出来るようです。

しかし、起毛に付着した微粉末が洗いにくく、
連続使用すると洗浄によって起毛が減りやすく、
フィルターの寿命が若干早まるようです。
昔は、この微粉末が多く出る電動臼式コーヒーミルしかなかったため、
起毛を内側にして使用していた方が多かったようですが、
近年は微粉末の出にくい良質なカット歯の電動コーヒーミルが出来たため、
起毛を外側にする人が多くなりました。

外側のほうが洗いやすく、起毛が減ることが少なく、
安定的に長く使用することが出来るようです。

待夢珈琲店

森光宗男 珈琲のお話」(福岡県博多、珈琲美美店主)

2014年10月6日(月)待夢珈琲店



待夢珈琲店が新店舗開店一周年を迎え、一周年記念行事のとして、
「東京ヒカリエ、わかりやすいネルドリップ・コーヒー」での、
メンバーの中心的講師の森光宗男氏と、
大坊勝次氏が岐阜県瑞浪市の我が店に来て、
「珈琲のお話」をしていただいた、第一回講座です。


また、岡山の名店「珈琲 折鶴」の藤原隆夫氏、
九州・福岡のフリーライターで「九州喫茶散歩」などの、
喫茶関係の著書を多く手掛けている小坂章子さんにご参加頂きました。



左より~小坂章子さん、藤原隆夫氏、大坊勝次氏、森光宗男氏、私、桂子(妻)

岐阜県瑞浪市の待夢珈琲店で行われた、
「森光宗男 珈琲のお話」(福岡県博多、珈琲美美 店主)は、
30名募集のところ45名もの参加者が集まり大盛況で終了いたしました。


実際には50名を越す応募がありましたが、
店のキャパの関係で45名に限定させていただきました。



ドリップする森光氏

会は6:30分頃より待夢珈琲店の新店舗で始まりました。


まず、森光さんの珈琲を淹れるところを拝見し、
出来上がりの珈琲を各自テーブルでお飲みいただきました。


その後、飲み終わった方から旧店舗に移動していただき、
7:30分よりいよいよ森光宗男珈琲講座が始まりました。


店内は満員で、立ち見が数十名ほど出てしまいました。
皆さんには大変ご負担をおかけしてしまい申し訳ございませんでした。


講座はスライドによる映像でドリップの淹れ方を説明していきました。


「百聞は一見にしかず」


映像での講義は大変わかりやすく皆さんとても感心していました。


森光さんの語りは、ゆっくりと静かな語りで、一言一言が心より発せられ、
聞いている人々の心に響き、珈琲にかける思いと、
今迄のキャリアが十分に伝わってきました。



自己紹介する大坊勝次氏


秋の一三夜に素晴らしいコーヒータイムが過ごせたことを、
森光さんはじめ、大坊さん、藤原さん、小坂さん、
来て下さった方々やスタッフの皆に心より感謝申し上げます。


次の日は、私が担当している中日文化センターの「珈琲教室(22名)」に
来ていただき、森光さんの「サン・イリガチェフェ・モカ」を、
森光さん、大坊さん、藤原さんにご指導いただきながら一杯ずつ淹れて飲みました。


一堂にこれだけの豪華な先生方に指導いただける教室は
世界中どこを探してもないでしょうね。とても貴重で特別な珈琲教室となりました。


岐阜の田舎町にこんなに豪華な方々が来ていただけることは、
まさに奇跡としか言いようがありません。


私が所属する会員数380名の「日本コーヒー文化学会」の年次総会は
毎年12月に東京の学士会館で行われますが、
2014年のメイン行事が、「森光宗男と大坊勝次のネルドリップ対談」でありました。


お二人は2013年から数回博多や東京で対談され、それが本になる予定でしたが、
出版が間に合わず、次回の総会に持ち越しとなりまってしまいましたが、
全国の何百人の方々が対談を望んでいるほど貴重な企画だったのです。


2014年10月6日、その夢のような対談が瑞浪の地で行われました。
今回は森光氏の「珈琲のお話」が中心で、大坊氏や他の方々は
一聴衆として参加するということですが、せっかくですので
少しだけでも珈琲にかける思いをお話しいただきました。


もともとこの企画は、森光氏と藤原氏に、
当店の新店舗に訪問していただくということから始まり、
せっかく来ていただけるなら珈琲教室の生徒さん達に
ぜひ一度会ってい欲しいという私の勝手な思いからこの講座となりました。


森光氏は、私が唯一尊敬している方で、
焙煎や技術的な指導を頂いたことはありませんが、
私の珈琲店行脚の出会いから、イエメン、エチオピア、ケニアなどの
コーヒー生産国にお共させていただき、珈琲に対する真摯な態度、
向き合い方や思いなど多くを勉強させていただいた「心の師」であります。




~《森光 宗男プロフィール》~


1947年 福岡県久留米市生まれ
1966年 県立久留米高校卒業後上京
1972年 東京・吉祥寺の伝説の名珈琲店「もか」に入店。
    標交紀氏より5年間指導を受ける。
1977年 福岡市今泉に自家焙煎コーヒー販売、
    ネル・ドリップの店「珈琲美美」を開業.
1987年 モカ珈琲その香味の種明かしを求め、
    イエメン5回、エチオピア6回、インドネシア,ケニア、タンザニアなどの
    生産地、珈琲の歴史国の視察を重ねている。
2009年 福岡市中央区赤坂けやき通りに移転。
2012年「手の間文庫」より「モカに始まり」出版

待夢珈琲店

「大坊勝次 珈琲のお話」・・表参道 (旧)大坊珈琲店店主

2014年11月3日(月)待夢珈琲店





2013年12月23日でビルの立ち退きで、惜しまれながら閉店した
「大坊珈琲店」の大坊勝次氏をお招きして、大坊さんの珈琲をご賞味いただき、
その後「珈琲のお話」をしていただきました


現在、店舗を構えていませんので、
幻となった大坊さんの珈琲が瑞浪の地で再現され飲むことが出来、
また、38年の珈琲の足跡を技術、精神両面においてお話しいただきました。


大坊珈琲店は南青山・表参道の交差点すぐにありました。
開店当初から手回しの焙煎機を使い自らの手で回し続けました。
多い日は一日に5時間も回すこともあったそうです。


究極の手間をかけた珠玉の珈琲は、
多くの珈琲マニアの方に支持され愛されてきました。
村上春樹、向田邦子、糸井重里さんなどは常連だったそうです。

38年間、豆選びから、手回し焙煎、ブレンドを行い、
ネルドリップで一滴一滴点て淹れる珈琲は、
まさに「珠玉の珈琲」として多くの方々に感動を与え愛されてきました。


瑞浪と名古屋での2日続けての珈琲の会は、大変貴重な時間となりました。



会場は超満員で、
多くの方に大坊さんの珈琲を舌と心に留め置いていただきました。
味覚など感受性の世界では、記憶は記録より確かなことがあります。
大坊さんをはじめ、すべての方々に心より感謝申し上げます!
ありがとうございました!


大坊さん(左)と私


【大坊 勝次プロフィール】
1947年 盛岡に生まれる
1975年 表参道に大坊珈琲店開店
2013年12月閉店 私家版大坊珈琲店出版(限定千部)
2014年 普及版大坊珈琲店出版
    台湾にて自家焙煎珈琲店向けに焙煎と抽出を行う
    閉店記念本 『大坊珈琲店』・・・大坊勝次著


・・・寄稿文より紹介(著書「大坊珈琲店」より抜粋)。

《十音の場所》・・川口葉子(東京カフェマニア主宰)・・

(一) 
誰に気がねすることもなく だが背筋は少し伸ばして
一杯の珈琲の深みにどこまでも
没頭できるカウンターがあった

うつくしいその液体の波底へと潜っていけば
濃さを増す蒼い闇 揺らめく光の花弁 翻(ひるがえ)る魚影の群れ
音もなく落下してく世界の
ひとかけらを白い珈琲腕が受けとめ
一瞬のうちに永遠があると囁きかけるのに驚いて
店主をみやれば
ん、とも言わずにポットを傾け ネルを上下しているばかり

(二)
黙って立っていることの強さ
いつのまにか 小さな店でそんなことも知るようになった
望遠鏡をのぞいても水平線が見えないこの街では
海は カウンターの仄(ほの)かな湯気のもとで点滴されている
珈琲腕の底で朝に夕に
大いなる満ち引きをくりかえす潮
ひとが飲み干したあとも たとえ店が消えても
幾度となくその波は寄せては返す 舌の記憶の上に
点と点を結んで私は琥珀色の星座をつくろう 夜の航海でも進めるように
ん、と頷いて静かに椅子から立ち上がる

・・・文章の初めの文字を繋げていくと、
「ダイボウコーヒーテン  ダイボウコーヒーテン」となります。
楽しいですね!


中日文化センター名古屋栄教室にてデミタスコーヒーを淹れる大坊氏


【大坊さんのつぶやき・・・取材 岡崎 保】・・ネットより抜粋

― コーヒーをおいしく飲むコツはなんでしょう?

それはおいしい豆を買うことです。ほとんどそれに尽きます。
コーヒーはどういうわけか淹れ方のウンチクばかり言われます。
それも大事ですが、豆自体で味はほとんど決まります。


─ しかし、どうやって選ぶのですか?

そのためには、自分がどういうコーヒーが好きなのかを
知っていなければならないですよね。


─ それはモカとかコロンビアとか、ブレンドということですか?

どこの豆かも大事ですが、ぼくがそれよりも神経を使っているのは
焙煎とブレンドです。ブレンドで最も神経を使うのは
単に深煎りと浅煎りを混ぜるのではなく、
単品で飲んだら深煎りか浅煎りかわからないぐらい、
ほとんど同じものを混ぜるのです。
ものすごく違うものを混ぜると違いがわかってしまいます。
ほとんど違わないものを混ぜることでフワッとしたふくらみが出てきます。


─ 温度はどうですか?メニューには
「当店のコーヒーは最も味がなじむ温度にしてありますが、
特に熱いコーヒーをお望みの方は申し付け下さい」と書いてありますが?

うちはすごくゆっくり作るんです。そうするとでき上がりはそんなに熱くない。
喫茶店はそれを温めなおして出すケースが多いんですが、ぼくはそのまま出します
だから、「熱くないですよ」とお断りしてあるんです。
熱いものだと思い込んでいると余計ぬるく感じますからね。


─ なぜ熱くしないのですか?

熱くすると苦みが出るんです。甘味を出すためにはぬるくしないと出ません。
玉露と同じです。ぼくがさっきから焙煎、焙煎と言っているのも、
この甘味を出したいからなんです。


─最後にこれだけは言っておきたいのですが。

作る側のぼくらがいろいろ考えるのは当然です。
しかし、お金を払って飲む側は自分流でいいんです。
こんなふうな味を出さなきゃいけないんじゃないかなんていう
心配はまったくいらないと思います。


〔取材を終えて〕・・コーヒーの味や淹れ方などについては、
大坊さんは「好きでいい」というのが基本的な立場である。
「あの人がこう言ったから」「本にこう書いてあったから」、
そういう飲み方をもっとも嫌っているのが大坊さんである。

待夢珈琲店